「世界初」を生み出し続ける島精機製作所

正社員中心主義で「創意工夫」

和歌山県和歌山市に知る人ぞ知る、世界一のモノづくり企業がある。その名は島精機製作所。二ット編み機のトップメーカーで、コンピューター制御横編み機で60%を超える世界シェアを誇っている。

創業は1962年。昨年、創立50周年を迎えた。その原点は手袋編み機。既存の機械で作られる手袋(軍手)は指先に塊ができてしまい、使用している人の指先の感覚が鈍った。そのせいで機械に巻き込まれて、指を失う事故が続発していた。

欧米が賞賛した”東洋のマジック”

創業者で、現社長の島正博氏はこの問題を解決するために、創意工夫を凝らし、指先の感覚が鈍らないよう丸く編み上げる手袋編み機を考案した。しかも、手首にはゴムを入れて編み込むことによって、手首に向かって編み目を減らす工程を省き、逆に手袋の着脱を容易にさせた。機能性を高め、事故を減らすと共にコストも削減した。島精機のすべての出発点はこの創意工夫にある。

次にターゲットとしたのが、二ットの横編み機だった。一番難しいとされていた衿の自動編み機に挑戦。1967年に「全自働衿編み機」の開発に成功。「世界初」の快挙だった。

それ以降も、「世界初」の快進撃は続く。「世界初」のコンピュータ制御横編み機を開発し、1995年には一切縫製することなく、一気に三次元の二ットを編み上げる「世界初」の機械「ホールガーメント」の開発に成功。欧米の二ットメーカーから“東洋のマジック”と称されるほどの評価を受け、SHIMA SEIKIの名声は世界に轟いた。

次ページレベルの高い内製化で技術をブラックボックス化
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