「世界初」を生み出し続ける島精機製作所 正社員中心主義で「創意工夫」

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結局、トータルコストで考えれば、機械そのものの価格は高くても、島精機の機械の方が経済合理性が高い。そうした現実を認識した顧客がまた島精機に戻り始めているのだ。「コモディティ」ではなく、「プレミアム」で戦うことの妥当性を島精機はまさに証明している。

考える頭、行動するハンド

島精機本社のエントランスには二つの彫刻が飾られている。ロダンの「考える人」と、ボッティーロの「ラージハンド」だ。

創造性を象徴する「考える人」、そして自ら手を動かし、行動する象徴としての「ラージハンド」。「世界初」を実現させるためには、頭と手をつなげなくてはならない。

そして、その前提となるのは、社員一人ひとりの「感じる力」だと島社長は強調する。常に何かを感じ、何かに気付くことが創意工夫に結びつき、新たな創造につながる。“触覚”を持っていながら、それを意識していない、活用していないのでは「世界初」を生み出すことなどできない。「感じる社員」を増やすことが「世界初」の出発点だ。

島社長は1日に2度、現場を隅から隅まで歩き回る。社長室にはほとんどいない。そして、1度の巡回で最低10回は現場の作業者たちに声を掛けるという。現場の声に耳を傾け、社長からも質問を投げかける。

この距離感の近さが中堅企業ならではの優位性の源泉だ。経営者と現場が密着し、一体とならなければ、「世界初」を連続的に生み出すことなど実現するはずもない。

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