「世界初」を生み出し続ける島精機製作所 正社員中心主義で「創意工夫」

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一品一様の機械に対応するためには、どうしても特殊部品が必要となる。そうした部品の加工を外注すれば、コストはべらぼうに高くなる。内製化はこうした特殊部品をリーズナブルなコストで生産するための合理的な選択でもある。

島精機オリジナルの独自技術と現場力を磨くために、島精機は正社員中心主義を貫いている。「仕事を愛し、自ら創意工夫する社員を育てようと思えば、時間給ではムリ」と島社長は語る。

島精機のこうしたぶれない取り組みは、安易なアウトソーシングや目先のコストダウンのために非正規社員を多用することが真のモノづくり競争力にはつながらないことを教えてくれている。

回復する業績、円安基調は大きなプラス

これだけの国際競争力を構築しながら、島精機のここ数年の業績は低迷を続けていた。欧州を中心とした世界的な景気後退や超円高の進行、中国勢などの競争の激化により、減収減益を余儀なくされ、2012年3月期は約2億円の経常赤字となった。

しかし、ここにきて業績は大きく持ち直している。先日発表された2013年3月期の業績予想修正値では、売上高340億円は据え置いたものの、経常利益は14億円の赤字から14億円の黒字へと修正した。輸出比率が9割の島精機にとって、この円安基調は大きなプラスであり、足元の受注状況も活発だ。

島精機の全自動手袋編み機の価格は約100万円だが、中国製のコピー製品は30万円ほどで手に入る。その安さに惹かれて、中国製機械を大量に購入した中国の顧客からの発注がまた戻り始めているという。

中国製は故障が多く、その修理や不稼働時間を考えると機械の生産性はけっして高くない。人件費が高騰する中国で機械の保守をする人を雇えば、それだけムダなコストも嵩む。

次ページ一日に2度社長が巡回、現場の社員に声をかける
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