(第12回)日本最大級のインターンシップを実践する企業【ワークスアプリケーションズ】

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--現在の実施規模はいかがですか

 年間のインターンシップの体験者がほぼ1000人に達したのは2004年です。入社に至った方はパス取得者のだいたい半分ほどですね。
 2008年4月入社は102名。来期の採用数は倍増の200名が目標です。そのためにはさらに認知度を上げ、現在1800人の参加者を2~3倍に増やすことが必要です。そのためには、現在18000人の母集団も2~3倍の40000人レベルまで増やさなければなりません。

--インターンシップを通して、御社が見極めようとしている人材像である「クリティカルワーカー」について教えていただけますか。

インターンシップ風景
 ホームページなどにも明記しているとおり、問題解決能力の高い人のことを指します。問題解決能力をワークスなりに分解すると、ひとつが論理的思考能力で、もうひとつは発想転換力。つまりクリティカルワーカーとは、その両方を兼ね揃えた人というわけです。
 例えば、難題にぶつかったときに、それを乗り越えるような発想ができるかどうかは、発想転換力が欠かせません。既成概念や常識に囚われないゼロベース思考が必要です。それに論理的思考能力が組み合わさって、結果として問題解決能力に結びつく。私なりに言葉を加えるとすれば、問題発見・発掘能力もベースとしては必要だと思っています。同じ事象を見て、これは問題だからなんとかせねばと思う人と何の問題も感じなかった人では、この時点で大きな差がついてしまいます。問題の所在を感知・察知できる能力ですね。

--そのような能力をポテンシャルとして持っている学生は最初の方でわかるのか、インターンシップに取り組んでいくうちにわかるものなのか、傾向はありますか。

 両方ありますね。論理的思考能力だけを見るならば、筆記試験や面接中心の採用でもわからなくはない。しかし、発想転換力はその環境におかれて初めてわかるものです。つまり、参加者がいつ弊社の求めている能力を発揮するかがわからないから、インターンシップをやっているとも説明できます。

--「クリティカルワーカー」の働き方をイメージするとすれば

 クリティカルワーカーそのものの定義は、先ほど述べたとおりで、まとめると「従来の発想に囚われず、独創的な発想をして自ら動く人」です。人から言われる前に、自分で多方面に首を突っ込んで、問題だなと思ったら徹底的にやりきるような働き方をする社員がイメージです。そのような人は、場合によっては世の中の仕組みや、他人の発言を疑ってかかることができる人かもしれません。真理は何か、根っこの部分は何か、今までにやったことがない方法だけど、それを解決するにはこれをやるべきだと、論理的に説明し、徹底的にやれる人ですね。

--それは面接だけでは分からないということですね

 一般の面接では、入社後の活躍が面接の印象どおりかというと、けっこう当たらないものです。
 だからこそ実際に「えっ!!」という厳しい状態に置かれたときに、どのように考えて、動けるかという能力がビジネスの場面で重要だと痛感しています。

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