現地では日本が出資している子会社のオーナー代行という立場で、現地の店長以下や社員を使って業績を立て直すというミッションがありました。もうひとつはアメリカのマクドナルド本部と仕事をしながら現地のマネジメントを覚えていく。この2つの立場がありました。
アメリカの本部は世界のマクドナルドを引き受けており、マネジメントやマニュアルの作成など、いろいろな研究をしている。全世界の動きが垣間見えて勉強になった。
日本マックとアメリカマックの違い
いちばん面白かったのは日本マクドナルドのオーナー代行として、ほかのフランチャイズ(FC)オーナーと付き合っていく楽しさです。FCオーナーの会議に行くと、ハワイのオーナーが「俺が藤田にフィレオフィッシュの作り方を教えたんだぜ」とか言う。日本国内で直営だ、FCだと言っているが、そもそも日本マクドナルドもアメリカのFCだったということを肌で感じました。
日本に比べて、アメリカでは本部とFCオーナーの責任区分が明確です。たとえばFCオーナー会議で、翌年のマーケティングプランを決める会議がある。もちろん全米でやるマーケティングプランは決まっているのですが、各地域(リージョン)でやるマーケティングはオーナーが集まって決める。広告代理店が来て「来年のマーケティング戦略はこのようにやります」とプレゼンする。「もし皆さんが売り上げの2%をくれるならこのプラン、1.8%をくれるならこのプラン」と提示してくる。
どのコースがいいかはオーナーが投票で決めます。自分たちが投票して、多数決で決まったら、結果が悪くても仕方ないという。日本ではそもそも投票する権限がない。失敗しても文句は言わせない。アメリカのFCビジネスは進んでいるなと思いました。
――アメリカから帰ってきてすぐに、マクドナルドを退職しました。米国流のノウハウを知っているのは貴重な戦力だったはず。なぜでしょうか。
2004年10月ごろに帰ってきて、大阪のハンバーガー大学に戻りました。05年4月に営業本部の営業推進部部長になって、ドライブスルーの改革を担当していたのですが、11月に退職しました。
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