若手社員こそ「名刺入れ」にこだわるべきだ デキる人は黒茶系より「派手色レザー」を選ぶ

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あとは革が重なる部分、たとえばポケットの端などに二重三重に糸が通っているかを見るのもいい。「返し縫い」という手法で、強度を増してくれるが、ひと手間増える。これが施されているのも、よい仕事をしている証左というわけだ。

「また革製品すべてにいえますが“コバ”の仕上げが美しいかどうかをみることも意識していただきたい。コバをきれいに磨き、染料などを丁寧に塗り、色も手触りも自然に美しく仕上げる、というのはまさに職人ワザ。かつ面倒な作業です。コバの仕上げが美しいということは、他の仕事も手を抜いていない、ということになる」(黒岩氏)

見た目はもちろん、実際に手で触ってみるとあきらかに違いが分かるという。購入時は、店員に声をかけて、ぜひ確認して欲しい。

名刺入れをズボンのポケットに入れてはダメ

オキテ5「手入れはとくにしなくていい」

選ぶ話ではないが、名刺入れの購入後は、とくに手入れなどをする必要はない。もちろん、革小物用のクリームもある。それを布にとってたまにふいてもいいのだが、普段から手にする名刺入れは、たっぷりと人の脂をクリーム代わりにして、保湿ケアが施されているからだ。

「職人さんの中には『手入れなんて、夕方ころに脂がういた鼻あたりに名刺入れをこすりつければいいんだよ』なんて方もいるくらいですからね(笑)」(黒岩氏)

おおっ。さすがに合コンでウケが悪くなりそうなのでこの方法は却下だが、手入れいらずというのは実にラクだ。

もっとも、実際に使う段になったとき、手入れやデザインよりも気をつけたいことがある。「名刺入れをポケットに入れるときは、腰より上のポケットに入れる」ことだ。

「これは私自身が上司から言われたのですが、名刺入れは自分のものだけではなく、いただいた名刺もひとまず入れる。そのいただいた相手の名刺を『腰より下のパンツのポケットにしまうのは失礼にあたる』ということです。もしバッグに入れない時はジャケットの内ポケットにいれておくのがベストでしょうね」(黒岩氏)

「神は細部に宿る」という。名刺入れのようないかにも脇役のような小物にこそ、使い手の人となりやビジネスセンスがにじみ出るものなのかもしれない。選び方、そして扱い方は慎重にしたい。

箱田 高樹 カデナクリエイト

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はこだ こうき / Koki Hakoda

1972年新潟県生まれ。江戸川大学社会学部卒業後、カデナクリエイト入社。ビジネスマン向けの媒体を中心に執筆・編集を手掛ける。著書に『カジュアル起業~"好き"を究めて自分らしく稼ぐ~』、共著に『図解&事例で学ぶビジネスモデルの教科書』『クイズ商売脳の鍛え方』など。最新著に『課長・部長のための労務管理 問題解決の基本』(カデナクリエイト他著・マイナビ出版)。

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