不妊の原因、その半分は男性です 不妊は日本の未来を左右する問題

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生殖年齢の“定年”は今も江戸時代も同じ

これほど大きな問題になりながら、日本で不妊はオープンに語られてこなかった。その背景には、不妊を恥じる日本人の文化がある。

2009年から10年にかけて、英カーディフ大学とドイツの製薬会社メルクセローノは、世界18カ国の約1万人のカップルを対象に、不妊に関する共同調査「スターティング・ファミリーズ」を行った。

その結果を見ると、「不妊について家族や友人に情報開示しやすいか」という項目で、イエスと答えた比率は日本が最低。同様に、「不妊治療に積極的に取り組みたいと思うか」という項目でも、日本は最下位となっている。

不妊の悩みを、自分たちだけで抱え込んでいる――そんな日本の現状が浮かび上がる。不妊治療を行うカップルの中には、それがきっかけで離婚に至ったり、うつになったりといった例もある。

不妊をタブー視することのマイナスは、それだけではない。教育などの場で情報を得る機会がないため、正確な知識が広がらないのだ。ネットには不妊に関する情報があふれているが、根拠の薄いものも多い。

知識不足の一例は、不妊原因に対する理解だ。日本では、「不妊は女性だけに原因がある」との偏見がいまだに強い。WHO(世界保健機関)によると、不妊原因のうち、「男性のみ」が24%。男女双方に原因がある場合を加えると、約半分のケースで男性が関係している。

「日本の不妊治療は女性側に偏っており、男性側の対策はほとんどなされていない。米国でも豪州でも不妊治療では必ず夫婦で受診する」と男性不妊を専門とする石川病院の石川智基副理事長は言う。

もう一つの問題は、「卵子の老化」に関する知識の不足だ。前出の吉村教授は「生殖年齢の“定年”は今も江戸時代も変わらない。出産の適齢期は25~35歳だ」と話す。

前出の調査において、「36歳を境として、女性の妊娠力は低下するか」という質問に対する正答率は、日本では29.6%しかなかった。これは、カナダや英国などに比べて極めて低い。

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