私は“社会が決めた枠”を出たことが無かった
ムーギー:先ほど言っていた、私の人生成功したためしがないということやけど、経歴的には読者の皆様からおしかりの声が聞こえてくる気がするけど、どういうこと? 東大に入って著名外資系企業でマネジャーまで昇進して、ロンドンに栄転して……。一般的な尺度でみたらまずまずの成功でしょ。
亜美:なんか私、子供のときから言われたことをそつなくこなして、勉強も「まぁ、このくらいやればこのくらいの得点とれるかな」みたいな感じで適当に頑張ってきて。大学も東大に入ったはいいんだけど、実は頭よくないことに気づいて。
ムーギー:まぁ、確かにあなたは大して聡明な印象を私に与えていないが、別にそれほどバカというわけでもないだろう。なぜ自分はアホだと思うのか。
亜美:なんか、大学見渡すと私って上から数えて8割くらい、つまり下位20%くらいに入ってる気がして。勉強もそうとう頑張らないとついていけないというか。大学でそんなに頭よくないことに気づいたのね。
ムーギー:なんか、人生の挫折というにはあまりに貧弱な例だが、ほかに深刻な挫折の経験というか、自分の人生が成功ではないと思う事例はあるのか。
亜美:ほかの例を言うと、たとえばいい会社に入れなかったこととか(ちなみに彼女は世界中のエリート層が入りたがる某有名外資系企業の幹部候補枠に入っていて、年収は32歳で1500万円程度)。
ムーギー:あなたの会社は十分世間様からあこがれられる立派な仕事だと思うが。
亜美:私、大学のときにマッキンゼーの面接に落ちたのね。最終面接までいったんだけど。それがものすごいショックで。それでボスコン(ボストンコンサルティンググループ)とかほかのコンサルファームは受けずに、この会社に内定もらっていたから入ることにしたの。マッキンゼー落ちたからこの会社にやむをえず入った、みたいな構図になるのが嫌で。
ムーギー:うーん、それも挫折というにはあまりにしょぼく、人生を失敗というにはあまりにもしょうもない話だが。また「最終面接まではいった」と聞いてないのに言っているところがセコイ。この安っぽいプライドの高さはどこから来ているのか。一人っ子で甘やかされまくったとか、昔の美少女時代からちやほやされていたから気位がやたらと高くなってしまったのか、何がこの気難しい性格の根本にあると思うか。
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