ビル・ゲイツは移動車中も100%仕事に割いた 「観光や食事にも興味を抱かなかった」
――マイクロソフトはWindowsというパソコンになくてはならないともいえる基本ソフトを展開していて、やはりIT業界で“揺るぎない帝国”というのを築き上げたというイメージです。しかし、危機感を持っていたということが、かなり一般的な印象と違うなと感じるのですが。
そうですね。本当に大きな成功を収めて、大きな利益を出していますので、かなりイメージが違ったのですが、その後、スマートフォンやタブレットが出てきて、必ずしもPCの成功が、そのままその変化についていけない局面もありましたので、やっぱりその危機感は、非常に正しかったのかなと思っています。
――そのほか、入社されてから驚いたことはありますか。
とにかくよく働くといいますか、「ワーク・ライフ・バランス」という言葉がアメリカのほうからこうきたにも関わらず、本当に猛烈に働く、それから、1分1秒たりともムダにしない形で、ランチのときもずっと食べながらやる。イメージとまったく違いました。日本企業に比べたら、はるかに猛烈に働くという感じです。
ビル・ゲイツは食事や観光に興味はない
――具体的に、ビル・ゲイツCEOやスティーブ・バルマーCEOとどんな会話をしたり、どんなところでスピード感を感じたりしましたか。
そうですね、ビル・ゲイツCEOが日本に来たときは、普通であれば「おいしいものを食べに行こうか」「ちょっと観光しようか」とかあると思うんですが、まったく興味がないですね。朝・昼・晩にハンバーガーを食べながらずっと仕事です。
――日本食などは?
日本食を食べているのは見たことないですね。私は、ハンバーガー以外を食べているところを見たことがないですね。
――例えば日本らしい旅館に泊まりたいとかは?
いやいや、もうとにかく「近いところ」ということで、起きてすぐ仕事ができる所に泊まるという感じですね。いったい、ビル・ゲイツの財産でハンバーガーをいくつ買えるのか知りませんけどね(笑)。まったく、そういうものには興味ないという感じです。
――成田からの移動の車の中で、同乗されたことがあるそうですが。
そうですね。そもそも、成田からの移動も全部打ち合わせの時間に割かれています。
――休んだりとかはないのですね?
そうですね。その時もずっと質問の嵐というか、質問を浴びせかけられる感じです。「日本の人口はいま何人か?」「小学生は何人いるか?」「中学生は何人いるか?」「そしたらこの製品は何台売れるんだ?」みたいな話です。