ステートメント(声明)をみると、まず第一に
First, the committee noted that near-term risks to the economic outlook “appear roughly balanced”.
現状経済動向に影響を与えるであろう短期的なさまざまなリスクについてはほぼバランスしているように見える、と考えている
と来ました。つまり、状況としてはいろいろリスクを取り上げることはできるがそれらは大筋でバランスしており、特に危機的状況にあるとは考えていないわけです。巷のメディアでいうようなダウが急落したので利上げしない、なんのかんの・・という詮索は無駄ですよ、ということですね。FRBとしてはこの点極めてクリアに判断を下している。つまり現在は心配するような経済状況にはない、ということです。
FOMCは「念には念を入れて」先行きを見ることに
その上で、
The Committee judges that the case for an increase in the federal funds rate has strengthened but decided, for the time being, to wait for further evidence of further progress toward its objectives
FOMCとしてはFFレートの利上げのための状況(確証)はより強くなっていると考えているが、当面抱えている課題(FRBがしているコミットメント)に対する更なる良化の証拠を待つこととした。
となっています。これも極めてクリアで、現時点で利上げすることも可能だが、「念には念を入れて先行きをもう少し見てみましょう」と判断した、ということです。
先ほど申し上げた通り、実際に6月時点でのFRBの予測よりも実際の経済動向は下回っており、唯一、雇用統計だけがほぼ予想通りとなる中、今回改定された見通しでも、GDP(国内総生産)、及び物価指数についてはそれぞれ6月から下方修正されている、という事実があるわけで、その意味で今回は見送る、という極めて説得力のある内容となった、と言えるでしょう。
これで今回は見送ったが、このままでいくと年内に利上げがあるだろう、ということは素人でも十分理解できる範囲でしょう。
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