11月安値1万5000円を覚悟する4つの要因 下落基調の相場で注目すべき銘柄は?

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個人消費の動向を象徴する一つが「ちょいのみ(飲み)」人気だ(撮影:今井康一)

前回のコラムでは、目先こそ強調展開となって日経平均は1万7500~1万8000円に上昇しようが、9月20日頃から下落基調に転じる。そして11月頃には1万6000円前後に押して、その後2017年に2万円を奪回しよう、と述べた。しかし残念ながら、短期的な戻りが不発に終わったまま、下落基調に入ったようだ。下落相場の発射台が低くなったため、11月の日経平均の安値は、1万5000円前後を想定せざるをえないだろう。

9月から11月にかけて、日本株が下落すると予想する理由は、前回のコラムの繰り返しになる部分が多いが、次の4つの要因による。

1)米国株の予想PERはすでに割高で調整が不可避だ。前回のコラムでは、株価が横ばいで長く推移するなか、企業収益が徐々に増加することで、予想PERが低下するという時間調整型と、株価が短期的に下落するという価格調整型の両方のケースを挙げたが、どうも価格調整型に向かっているようだ。この場合、株価は15%程度下落(NYダウの下値メドは1万6000ドル辺り)し、下落後は比較的早期に戻ると考える。ただ、米株価下落の間は、国内株価も調整を余儀なくされよう。

2)国内企業7~9月期の収益悪化を株価が織り込みに行く展開がありうる。当該期の決算発表は10月下旬から11月上旬にかけてなので、その間は前年比2割強と見込まれる減益を織り込むことで、株価が押し下げられるだろう。また企業は、前倒しで自社の収益見通しを下方修正するものと見込まれ、織り込みが決算発表の時期より、早期に始まることもあるだろう。ただし10~12月期以降は収益の持ち直しが予想されるため、11月で収益悪化を織り込み切ることで、その後は株価が回復しうる。

3)9月20~21日の日銀金融政策決定会合で、金融政策が手詰まりになっていることが確認され、市場の波乱要因となる。

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