11月安値1万5000円を覚悟する4つの要因 下落基調の相場で注目すべき銘柄は?
4)米ドル安・円高が進むと懸念される。11月8日の米大統領選挙に向けて、候補者から内向きの発言が嵩み、米輸出企業を米ドル安で支持すべきだ、との主張が強まる恐れがある。加えて、10月に公表される米財務省半期為替報告書で前回4月と同様、中国、ドイツ、韓国、台湾とともに、日本が「監視リスト」入りする可能性が高い。こうした10~11月の円高の時期を過ぎれば、その後は米国経済・株価の堅調さに沿った、米ドルの持ち直し基調が予想される。
ここで、投資家の皆さんにお送りしたいアドバイスがある。もし筆者の見通し通りに11月に向けて株価が下落したとする。「この株価下落は大変なことだ、この後、さらなる大暴落が待っている」「世界経済が地獄に落ちる兆しだ」などと、大声で極端な悲観論を叫ぶ専門家が、多々現れるだろう。そうした主張に惑わされ、最安値で手持ちの株を叩き売るようなことだけは避けていただきたい。
財布の中身と財布のひもに分けて考える
株価の下落局面では、投資を休むもよし、日経インバース型ETFなどを買い持ちするもよし。だが、個別材料で動きそうな銘柄への投資も、選択肢の一つだろう。実は、足元の個別株の動きを見ていると、最近の国内消費の特徴が、さまざまに反映されているように思われる。
まず、消費全般には、デフレ色が強まっているようだ。消費の先行きを分析するうえでは、財布の中身と財布のひもに分けて考えるとよい。財布の中身が多ければ消費に回りやすいし、財布のひもが締まれば、中身があっても消費は絞られる。
財布の中身は直接には個人所得ということになるが、所得に大きく影響するのは雇用だ。雇用情勢全般には、失業率が低下傾向をたどっていることや、雇用者の内訳をみると、パートより正社員雇用の回復が中心になってきていることなどから、堅調と言ってよいだろう。しかし消費者心理については、内閣府のアンケート調査により、心理を数値化した消費者態度指数は、このところボックス的な動きに終始しており、心理改善が進んでいないことが示されている。
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