日本株は上昇後、嵐に見舞われる危険がある 「米国の利上げ=円安株高」は長く続かない

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日本株は夏の終わりに上昇しても、その後は嵐に?(写真:photomai / PIXTA)

市場の注目を一心に集めていた8月26日のジャクソンホールでのイエレンFRB議長の講演は、市場の想定以上に「タカ派」であった。

「労働市場における継続的な底堅い動きや経済、インフレ動向の見通しを踏まえ、フェデラル・ファンド(FF)金利を引き上げる論拠が過去数カ月間で強まったと確信する」(ロイター)

イエレン議長の言葉を裏付けた米国景気の底堅さ  

結果からいえば、時期はまだ定かではないが、米国の追加利上げは完全に射程圏に入ったといえる。

同日に発表された米4‐6月期GDPの改定値も、前期比年率プラス1.1%と速報値から0.1%の下方修正となったが、その内容はイエレン議長の「FF金利を引き上げる根拠が過去数か月間で強まったと確信する」という発言を裏付けるにふさわしいものだった。

というのも、GDPは下方修正になったが、その主因は将来の重荷になりかねない在庫投資の減少によるものだ。個人消費は4.4%増と速報値の4.2%から上方修正され、設備投資の減少幅も0.9%と速報値2.2%から縮小し、内需を中心に景気が底堅いことを改めて示すものだった。

GDPが示した個人消費を中心とした経済の堅調さは、このところの強い雇用統計と整合性のとれるもので、「FF金利を引き上げる論拠」として十分なものである。

これまでリスク要因として挙げられていた中国経済の失速を受けても、個人消費が牽引する形で経済が成長していることに加え、英国EU離脱ショック後の金融市場が安定的に推移しており、「海外リスク」の影響が限定的になっていることもイエレンFRB議長にとって追い風となっている。

イエレンFRB議長はこれまで同様「利上げは経済指標次第」という言葉を付け加えることを忘れなかったが、懸念された「海外リスク」が軽減し、「米国経済の動向だけで利上げの判断が出来る環境に近付いてきた」と宣言したとも受け取ることが出来る。

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