束の間に終わる「アベノミクス再起動」の夏

市場は決して政策を好感していない

8日の日本株は大幅上昇。だが筆者は「アベノミクスの矛盾と限界」を主張する(写真:AP/アフロ)

「今後、政府、日本銀行が一体となって、あらゆる政策を総動員して、全力でデフレ脱却に取り組んでいきます」(8月3日の安倍首相記者会見)

日銀が7月の金融政策決定会合で上場投資信託(ETF)の購入枠を6兆円へと倍増させたのに続き、政府が総額28兆円の経済対策を2日の臨時閣議で閣議決定したのは、周知のとおりだ。

政府の対策に対して、市場は好意的とは言えず

こうした「政府、日銀が一体となって」打ち出した政策に対する市場の評価は芳しいものではなかった。8日の日経平均株価こそ1万6550円と前週末比で396円上昇したものの、先週(8月1~5日)1週間で日経平均は約1.9%下落し、為替市場で円は2円50銭ほど米ドルに対して上昇、101円前後まで円高が進んだ。

また、メディア等ではあまり報じられていないが、先月の27日には-0.297%まで低下していた10年国債の利回りは-0.1%付近まで上昇(価格は下落)してきている。

今回、政府、日銀が一体となって「金融政策」と「財政政策」を打ち出したにもかかわらず、市場が好意的な反応を見せなかったのは、アベノミクスの限界と矛盾が見え始めたからである。

次ページ本当に効果がある政策が打ち出せたのか疑問
マーケットの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ほしいのは「つかれない家族」
  • 買わない生活
  • グローバルアイ
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
トレンドライブラリーAD
人気の動画
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
商社大転換 最新序列と激変するビジネス
商社大転換 最新序列と激変するビジネス
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
激動相場に勝つ!<br>株の道場

6月18日発売の『会社四季報』夏号が予想する今期業績は増収増益。利益回復に支えられる株価が上値を追う展開になるか注目です。本特集で株価が動くポイントを『会社四季報』の元編集長が解説。銘柄選びの方法を示します。

東洋経済education×ICT