山崎元氏「インフレ政策に躊躇など不要だ」

日本における「日銀の独立性」問題を考える

政府と日銀は機動的な政策を遂行できるのか(撮影:今井康一)

猛暑の日々だが、市場には円高という秋風が吹きつつある。

日本経済新聞の記事を見ると、今期(2017年3月期)の上場企業の経常利益が、主に円高の影響で減益に陥る見込みであること(8月16日朝刊)、円高・株安が響いて首都圏のマンション販売の価格が7月も連続して下がったこと(8月17日)、他方、輸入物のブランド品の販売価格が7〜10%程度引き下げられる動向にあること、などが報じられている。いずれも「円高」がキーファクターとなっているが、政府の目指すデフレ脱却にとっては逆風だ。

企業の収益は、今後の為替レート等の環境に影響を受ける。想定為替レートが現状よりも高い企業が多く、円高の悪影響は収益予想にまだ十分に織り込まれているとは言い難い気配だ。PERで約15倍、PBRで1.1倍くらいの東証1部の株価は、企業収益の状況を考えると、高いとまでは言えないが、安いという印象もない。

素人が不動産を買っていい時期は終わった

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マンションに関しては、もともとバブルに向かう経済循環の後半に購入するのは「センスがない」と言わざるを得ない。マイナス金利政策による低金利と、リオ五輪の盛り上がりを借りた東京五輪への期待を材料に、不動産屋や怪しい投資アドバイザーはマンション投資を勧めるだろう。しかし、今後の政策にかかわらず、少なくとも素人が不動産を買っていい時期は過ぎ去った。そう筆者は考えている(金融関係だけでなく、不動産業界の友達も減りそうだが、読者のために言っておく)。

輸入ブランド品が安いのは結構なことだが、図らずも、「円高・デフレがいちばんうれしいのは、亭主の職と給料は安泰で、買い物が安くなる『公務員の妻』だ!」という説を裏付けるような事実だ。財務官僚をはじめとして、官僚たちがデフレ好きなのは、彼らが愛妻家だからなのかも知れない(愛妻というよりは「恐妻組合」加入者なのかも知れないが)。

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