日本再生には「バブルへGO」政策しかない? 「劇薬」を使えば、日本経済はよみがえる
旧聞に属する話だが、あえて言うと、7月末の日銀金融政策決定会合の内容は、「残念」だった。マイナス金利を深掘りしたわけでもなく、マネタリーベースの供給額も年間80兆円で変わらず。少しだけ見どころがあったとすれば、ETFの買い入れ額を年間3.3兆円から6兆円に倍増させたことくらいだった。
だが「ETFの買い入れ倍増」は、1年を通じてのものなので、株価を下支えする効果しかない。むしろ私は逆に思い切った金融緩和政策をとるべきだと考えている。マイナス金利をもう一段深掘りしたうえに、マネタリーベースの供給額も、年間80兆円から100兆円まで増額させる。さらに、銀行が日銀当座預金に預けている準備預金に適用される金利を、全面的にマイナス金利にする。
「日銀当座預金金利」はすべてマイナスに
もちろん、この積極的な金融緩和政策は、「劇薬」的な側面もありそうだ。たとえば銀行にとっては、かなりの収益悪化につながる。
ただ、今のところ、マイナス金利が適用されているのは、日銀当座預金残高のごくごく一部に過ぎない。具体的な数字を挙げて説明すると、日銀当座預金残高は276兆円程度。このうち、今でも0.1%の金利が付いている部分が210兆円程度もある。また、金利がゼロ%の部分が約45兆円もあるので、マイナス金利が適用されているのは、21兆円程度に過ぎない。
マイナス金利が適用されて以降、個人の定期預金に適用されている利率は、預入期間の長短、預入金額の多寡にかかわらず年0.01%でしかないが、銀行が当座預金に預けている資金の大半に適用されている利率は、それよりもはるかに高い年0.1%なのだ。しかし、この0.1%部分も含めて、日銀当座預金の適用利率をすべてマイナスにすれば、否応なく、おカネが動かざるをえなくなる。
日銀当座預金の適用利率をすべてマイナスにするのは、「劇薬だ!」とお叱りを受けそうだ。なぜなら、ほとんどの銀行においては、この0.1%がきっちり予算化されている。それがなくなるどころか、マイナスになるわけだから、「銀行の経営に大きな影響を及ぼす」と批判されそうだ。
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