なぜ市場関係者の「期待」は裏切られるのか

投機家たちは不都合な真実に直面するだろう

注目のFOMC声明が明らかになるのは、日本時間の28日午前3時だ(写真:AP/アフロ)

今週は中央銀行ウィークである。日本時間の28日には米FRBがFOMC(米連邦公開市場委員会)声明を発表する。28、29日に日銀の政策決定会合があり、黒田総裁の記者会見がある。この二つに投資家の注目が集まっている。正確にいえば、期待が集まっている。

まず米国への期待。6月末の英国EU離脱後の混乱を受けて、金利引き上げは難しくなった、というコンセンサスがあり、今回も利上げの匂いは皆無で、金利据え置きが当分続くという確証を得たい、というものだ。そして日本への期待。英国EU離脱を受けて急激に円高が進み、株価も混乱したから、当然、日銀は追加緩和をしてくる、しかも、いったいどれほど驚くような緩和をしてくれるか、期待に胸を膨らませている。先走った投資家がドル円を107円台までの円安にし、株価も急回復させた。

米国は9月利上げを示唆する可能性が高い

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投資家が、日銀に金融緩和を期待するのは英国の要因以外にも大きな理由がある。第1に、参議院選挙で安倍政権が大規模な経済対策を約束したこと。政府は財政出動をするのだから、それに対応して、日銀も思い切ったさらなる緩和をするはずだ、という期待である。第2に、同時に発表される「展望レポート」で物価の見通しを公表する際に、インフレ率2%の達成がさらに後ズレすると見込まれている中、何も対策を取らずに「さらに遅れます」というわけにはいかないはずだ、という「期待」である。

いずれもひどい「期待」だが、まさに自己都合の期待である。英国EU離脱が、事前の世論調査では五分五分だったのにマーケットには都合が悪いからそれはあり得ない、そして離脱になってポンド暴落、株が暴落したのを、誰もこの結果は予想できなかったのでパニック売りはやむを得ない、と解説する人々である。国民投票の予想は五分五分であるのはすべての人々は知っていて、市場関係者だけ知らなかったのである。

それはともかく、この期待は間違っている。もっとも確率の高いシナリオは、FOMCはいわゆるタカ派的な声明で、9月の利上げを示唆するものとなり(さらに今年はイエレンが8月のジャクソンホールの中央銀行関係者の会合に出席し、スピーチをするから、そこでさらなる示唆があるだろう)、日銀の金融政策は現状維持となる、というものだ。

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