日銀黒田総裁の一手より「大事なこと」がある ついに「運命の7月29日」がやってきた

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運命の7月29日がやってきた。だが黒田総裁が打つ手よりも、大事なものがある(写真:ロイター/アフロ)

29日(金)の決定会合で何が出てくるか

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今週、世間では(特に東京では)都知事選(31日投開票)が話題だが、マーケット関係者の関心は、さすがに、米国のFOMC(現地27日)であり、日銀の政策決定会合(28~29日。結果発表は29日の昼頃)だろう。

ちなみに、都知事選の有力候補は3人との下馬評だ。拙宅で、筆者が「うーん困った。しかし、○○(苗字である)なんて投票用紙に書いたら、手が腐りそうだな」と言ったら、妻は「しかし、他の二人の名前を書いたら、手がもげるよ」と言った。いわゆる「究極の選択」だ。さて、どうなるものやら…。

都民ではない読者も多いことだろう。共通の関心事であるマーケットに話題を移そう。

少し前を振り返るなら、マーケットの関心事は英国のEU離脱の行方だった。この結果が「離脱!」であったことは、マーケットの参加者のおそらく過半にとって「意外」であった。

「ブレグジット(=英国のEU離脱)可決」というサプライズは、世界の株価の下落をもたらしたが、その後、日本を含む多くの先進国で、株価は意外なくらい回復した。

この回復の原因は、英国のEU離脱が即座に行われるものではなく英国・EUの双方にとってリーズナブルな条件で先行きが決着するはずではないか、という冷静な思考がマーケット参加者の間に生じたことに加え、「ブレグジットを受けて、先進国の金融当局は金融緩和的な方向を指向するに違いあるまい」という期待が拡がったことだった(率直に言って、やや期待が過剰だと思うが)。

米国FOMCは、大方の予想通り「利上げ見送り」であった。問題は日銀の出方だ。29日金曜日の昼過ぎくらい、本稿の配信とあまり変わらないタイミングで結果が出ることになっているが、さて何が出るか?

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