日銀黒田総裁の一手より「大事なこと」がある ついに「運命の7月29日」がやってきた

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何れにせよ、ヘリマネは日銀単独で踏み込める政策ではない。29日の発表に「ヘリマネ」を期待するのはやや無理ではないか。ただ、政府筋が(6)50年国債を発行する、という一部にある観測が発表されると、目新しくもあり「ヘリマネ的」だという印象もありで、そこそこに効果を発揮するかも知れない。

重要なのは「金融政策」よりも「財政政策」

今や、経済政策としては、財政政策の方に注目すべきだろう。

追加緩和で銀行システムにお金を流し込んでも、日銀当座預金に積み上がって、貸出の増加につながりにくいのは、経済自体に資金需要が乏しいせいだ。財政政策による需要の追加を組み合わせるべきだし、そう考えるのが素直だろう。

日銀が国債の買い手となって、財政赤字を拡大すると、組み合わせとしてはヘリマネに近づく。よく考えると、永久債を出さなくても国債の残高を維持し続けると期待されればヘリマネと効果は同じだし、永久債を出したとしても将来増税するオプションは政府にあるのだから、未来永劫お金が出回り続けるわけではない。

金融緩和と財政赤字拡大を組み合わせた場合の政策としての副作用は「インフレ」だが、現在はインフレが不足しているのだから、当面それで構わない。物価上昇率が高すぎる状態になったら、逆方向に調節すればいい。

目下の注目点は、政府が検討している補正予算がどの程度の「真水」(事業規模でなく、当面の財政赤字額を指す)を含むかだろう。巷間言われている「3兆円」や「6兆円」では、再び「しょぼい」。個人的には10兆円規模の真水が望ましいが、満額回答は難しそうだ。

財政政策による需要追加でもう一つの問題は支出の行き先だ。まさに「ヘリコプター」の比喩のごとく、国民に対して均等にばらまく方法があると望ましい。マイナンバーの普及に手間取っている現状では、給付付き税額控除(負の所得税)は難しそうだし、給付金も手間が掛かる。直ちに行うことが出来て、理想的な効果がありそうなのは、消費税率の引き下げだが、いかに安倍政権が政治的に強い勢力を持っているとしても、そこまでの勇気は無さそうに見える。

かくして、経済政策を巡るイライラは続きそうだが、他人に多くを求めても仕方がない。

未曾有の低金利なのだし、チャンスとやる気のある企業家にとって、環境は申し分ないはずだ。もっとも、有望なマーケットは国内ではなく、海外にあるのかも知れないが、それでもいいではないか。

尚、論者の中には政府の「成長戦略」に期待する向きもあるが、どうせダメなので、成長への道は民間が勝手に見つけるものだと割り切って、政府には、民間の邪魔をしないことと、マクロ経済的な環境調整だけを望むのが現実的だ。「成長戦略が実現したら」という仮定で経済を論じるのは、真夏に雪だるまの作り方を議論するくらい虚しい話だ。

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