「ヘリコプターマネー」で日本経済は救えない これはダメ政策の「看板」をつけかえただけ
日経平均株価は、参議院選挙で与党が圧勝したことを受け上昇に転じ、7月14日まで4日続伸となった。この4日間の上げ幅は1278円に達し、英国のEU離脱ショック前の水準(1万6238円)を上回ってきた。
急激な株価上昇の背景にあるものは?
株価の上昇幅が予想以上に大きなものになった原因としては、投資家が市場内の下げ圧力を大きく見積もり過ぎていたというテクニカル的な要因も大きい。
しかし、その根底にあるものは、日銀の追加金融緩和への期待だ。国内景気が鈍化傾向を見せる中、「アベノミクスのエンジンを最大限にふかす」と主張していた自民党が勝利した。これで短期間のうちに目に見える成果をあげるために、日銀が7月28日~29日の金融政策決定会合で追加緩和に踏み切るという見方が高まったからである。
こうした国内的背景があるなか、タイミングよく来日したのがバーナンキ前FRB議長である。バーナンキ前FRB議長は、「ヘリコプターマネー」の提唱者であるフリードマン教授の弟子で、自らも「ヘリコプター・ベン」との異名を持ち、かつて日本に「ヘリコプターマネー」の提案を行った経験を持つ人物である。
一方、日銀の「マイナス金利付き量的・質的緩和」が期待するような効果をあげられず金融政策の限界が指摘されるなかで、安倍総理は10兆円を上回る補正予算編成を指示した。
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