大暴落に備えて個人投資家が身を守る方法 オルタナティブ投資の活用を考える
個人投資家へのアドバイスは、まとめていえば、こういうことになる。第一に、本当の下げはこれから来るということを大前提に投資を考えること。第二に、そうした中で、リスクをとりすぎないようにして、余力を持っておくこと。第三に、債券に代わる保険になりうるもの、オルタナティブをポートフォリオに組み入れておくこと、併せて為替のリスクについて考えておくことだ。以下、説明していきたい。
金融市場は大きなクラッシュの到来に怯えている
2015年8月の人民元ショック、2016年1月のマイナス金利ショック、2016年6月のBrexit(英国のEU離脱)ショックと半年に一回ぐらい金融市場が大きく動揺している。何かあるたびに、金融市場が大きく動揺してしまうこと自体が、市場が脆弱になっていることを示している。今年1月の記事(『迫り来る「メガトン級の巨大危機」に備えよ』)でも述べたように、世界中で債務が積みあがり、とっているリスクが膨らんでいるため、何かイベントが起きればリスクを落とさなくてはならないという警戒感が投資家には強いのだ。
世界各国の中央銀行がマーケットフレンドリーに、市場にやさしくという金融緩和策をずっと続けてきた結果、米国の株価は最高値を更新し続け、債券価格も上昇して金利はゼロかマイナスになってしまっている。何かイベントがあると株価が下がり債券が買われるが、株価がその後に回復しても債券は売られない。債券価格は一直線で上昇を続けている。
上海では今年になってマンション価格が2倍になったという。これも中国政府が対策を打ち出しているためだ。資産価格が既に高値圏にあるにもかかわらず、大崩れしないように各国政府・中央銀行が政策によって支えている。
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