「ポケモン旋風」に沸く日本株の「落とし穴」 日銀だけ見ていると方向を見失う危険性
日本の株式市場は「ポケモンGO」配信による「トランプ(任天堂)旋風」に沸いている。完全にその陰に隠れてしまった格好になっているが、今週は米国FOMC(連邦公開市場委員会、26~27日)、日銀金融政策決定会合(28~29日)が続く金融政策ウィークである。日本では後者に関心が集中しているが、今回はあえて前者の米国側にスポットライトを当ててみたい。
「米国年内利上げなし」と、高をくくっていないか
まずFOMCだが、利上げの可能性はかなり低い。非農業部門雇用者数が5月に1万1000人増、6月に28万7000人増と大きく振れ、7月の雇用統計(8月5日)を見なければ「雇用者数の変動が特殊要因によるものだった」と言い切れない状況にある。イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が「利上げは経済指標次第」と繰り返してきたことを考えると、雇用統計発表前のタイミングで開催される今回のFOMCでの利上げは考えにくいところ。
実際に市場が織り込む利上げ確率は、先週末22日時点で僅か3.6%(Fed Watch)に留まっている。
市場が今週のFOMCでの利上げ確率を低く見積もっていること自体は大きな問題ではない。だが、市場が年内利上げの可能性を44.6%(Fed Watch 22日時点)と50%以下に見ていることは少々問題である。
米国株式市場は、利上げ先送り観測を背景に最高値を更新してきた。また6月の中古住宅販売件数は、販売価格が2008年のリーマンショック前の住宅バブル最盛期を上回る中で、年換算で557万戸と9年ぶりの高水準に達している。これは日本と大違い(首都圏のマンション販売価格が高止まりする中で販売戸数はバブル崩壊後の1992年以来の低水準を記録)である。
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