ガラパゴス日本の頼みの綱はヤンキー大王だ 連銀の利上げ観測復活が日本株の側面支援に

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8日の日経平均は4日連続の下落となった(写真:AP/アフロ)

6月24日(金)、英国の国民投票を受けて大きく円高が進んだが、その後円安に戻す力が弱く、先週もかえって円高気味の推移となった。こうした円高の背景としては、英国のEU離脱を(これから実際に何が起こるかは別として)当面の市場の材料としてはいったん消化したように見えたものの、その後も英国大手不動産ファンドの解約停止や、イタリアにおける銀行の経営不安説などが飛び出し、欧州発の悪材料がいつまで経っても現れ続けるのではないか、との懸念が広がったことが挙げられる。

いわゆる「リスク回避のための円高」が進行したと解釈できる。ただ、多くの専門家が「リスク回避のための円高が進むのはこういう理屈だ」と解説を試みているが、そうした解説はほとんど意味がないだろう。ここで、これまでの「リスク回避のための円高」を定義すると、世界のどこかの国で何か悪いことがあると、しかもその世界の「どこか」が日本であっても、何でもいいから円が買われてしまう現象だと言える。

投資家にとって円高になる理屈は意味がない

特に、外国人投資家の売りにより日本株が下落した時にも、円高が生じるのは珍妙としか言いようがないが、これも多くの専門家が、外国人投資家が日本株投資を行なう際の為替ヘッジがどうしたこうしたなどの、理屈付けを行なっている。これも意味はない。

では、なぜ日本を含めてどこかの国でどんな種類のリスクが生じても円高になるのかと言えば、「これまでそうだったから」という以上の理由はない。投資家としては、利益を上げないといけない。なぜ市場がそう動くのか、という理屈は無用だ。勝てばよいのである。過去にどこかの国でリスクが生じれば円高になり、日本株安と円高が並行的に生じる、ということが何度も繰り返されれば、これからもそうなる可能性が高い、と考えるだろう。であれば、そちらに賭けた方が良いことになる。

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