世界は金融相場株高!「サマーラリー」出現も 今週の日経平均予想 1万5500〜1万6500円
週末であり、月初でもあった7月1日の米NY株式市場は4日続伸となった。ロンドンFTSE100は年初来高値を連続で更新し、ユーロ圏6月製造業PMI改定値は上方修正された。注目の米ISM6月製造業景況指数も市場予想を上回り、停滞していた米製造業の企業活動が底打ちしたとして、ダウは1万8000ドルの大台を一時回復した。
このように英国のEU離脱ショック後は、英国中銀の量的金融緩和期待で(緩和で不利になる銀行株を除いて)株価が大きく上げているため、落ち着きを取り戻しつつある。ダメ押しのように、ECB(欧州中央銀行)と日銀も追加緩和に踏み切るとの観測が強まっている。米FRB(連邦準備制度理事会)の年内利上げについても、FF金利先物に基づいて算出する12月利上げ確率が14%となっており、世界の株価はカネ余りによる過剰流動性相場・金融相場の様相を見せている。
ドル安円高で日本だけが取り残される?
この離脱ショックで、最も強い波乱を見せた日本株関係者としては、上記のごとく世界は「金融相場株高」の様相で、特にロンドンは当事者でありながら年初来高値を軽々と更新する姿を見ると、「お前らなんだよ!」と言いたい心境であろう。株価は世界的に切り返しの気運で、日本も5月に次いで今年2回目の5連騰になってはいるが、この5連騰の結果の、日経平均1万5600円台の水準では先高気運が高まっていない。「売れず買えず」で、先週末の東証1部の売買代金は1兆8000億弱と低調だ。
その理由は為替につきる。特にドル円は、FRBの年内利上げの確率が低くなる中で、ドル安円高の傾向が定着しつつあり、現在の102円台は、これから出る第1四半期決算にマイナスの影響を与えているだけでなく、一気に100円を突破する緊張感のある水準で、瞬時も気を許すことはできない。ここで日本もしっかりとした追加緩和策を出さないと、円高ショックで日本株だけが世界から取り残される事になる。
英シティーでは、転勤におびえる社員に、ゴールドマンサックスとモルガンスタンレーが「事業の方法や拠点が今すぐ変わることない」と一斉メールを送ったそうだ。離脱のスタートである「EUへの通告」も、新首相が決まる10月2日以降、いつ出されるか分からない状態だが、出したとしても、2国間協議の完全締結まで、10年、20年を要する世界に入ってゆく。
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