105円突破でも私が日本株を買わない理由 トレンドが出るまで無理に動く必要はない

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2014年10月に円安が進んで1ドル105円台になった時、1ユーロは136円台だった。今はいくらか。本文を読むとわかるが、それだけ欧州リスクが消えていないということだ(AP/アフロ)

前週の日本株は5日続伸となり、すべての日が上昇するという堅調な値動きとなった。政府による景気刺激策に加え、永久債やヘリコプターマネーに関する話題で盛り上がり、市場の雰囲気は一変した格好である。

一部には「アベノミクス相場第2弾」との声が上がるなど、これまでの弱気な見方を払しょくするかのようなはしゃぎぶりだ。日経平均株価が1万5000円を割り込み、相場が崩れる一歩手前で買い支えと思しき動きがみられ、これをきっかけに下げ渋ったところに、上記のような材料が出たこともあり、市場の期待が高まるのも無理はないだろう。

「円高トレンド」は変わっていない

だが16日の早朝には、トルコでのクーデターのニュースが飛び込んできた。これを受けて、NY市場の終盤には、ドルが買われ、欧州通貨が大きく売られる事態となった。この結果、クロス円にも売りが出て、円は大幅に上昇、1ドル104円台にまで急騰した。まさに「安全資産の円」の面目躍如である。

このような事象を見ても、市場では依然として円は安全資産であり、リスク回避先通貨であることに変わりない。そのため、常に何かしらのリスクが存在する現在の市場においては、常に買いの対象になりやすい。そのため、積極的に売り込みにくい。つまり、常に潜在的な上昇圧力にさらされているといえるだろう。

ドル円は1ドル100円割れの水準から、心理的な節目の105円を突破、106円前後にまでドル高が進んでいる。だが、それでも大局的なトレンドは何も変わっていない。

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