大暴落に備えて個人投資家が身を守る方法 オルタナティブ投資の活用を考える

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当社が2015年9月に初めて個人投資家向けに設定した公募投信「GCIエンダウメントファンド(成長型/安定型)」では7割は内外の株式や債券、REITなどの分散型ポートフォリオとし、3割はこのオルタナティブを組み入れている。設定以来、成長型で8%、安定型で7%の運用成績を上げている。

このファンドに組み込んでいるオルタナティブ(当社の自社モデル運用)は例えば、2015年12月から今年の1月にかけては円債を買っていた。ファンダメンタルズを洞察する運用者の常識であれば、買おうとは思わない時期だが、モデルは「買い」になっていた。また、今年の5月末から6月にかけては、英ポンドを対円でショート(ポンド売り円買い)していた。これも、「やはり、英国国民投票の結果はEU残留になりそうだ」だという声が強まっていたときなので、実は我々も心配したが、結果的に勝った。

示唆としては、経験と常識のある優れた運用者(人間)なら考えにくい判断メカニズムは、それが"長期的にみて正のリターンをもたらすものであるならば"、常識的、教科書的なポートフォリオに大きな分散効果をもたらしてくれるというものだ。

為替をヘッジしないことのリスクは大きい

個人投資家にもう一つ考えてみてほしいのが為替の問題だ。グローバル分散投資において外貨建て資産に投資する場合、為替をヘッジするかしないか、という古典的な問題がある。

長期で見れば為替は調整項に過ぎず、そもそも収益資産ではないので、ドル円を先物で売り続けるようなヘッジコストを払うのはばかばかしい、というのが教科書的な考え方だ。日本のバランス型の公募投信もほとんどが為替のヘッジをしていない。

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