プロ野球に例えれば、元来勝ち負けの勝率で争うはずのペナントレースを、自分の都合が悪いからといって途中からホームラン数で決めましょう、というに等しい。あるいは、日本に勝ちまくられて、やれ、スキー板の長さがどうした、体重がどうしたと次々と新たなルールを導入するジャンプ競技に等しいとも言えます。
つまり・・金融緩和などというものは平成バブル崩壊後の1990年より1年たりともとだえることなく、この2016年まで延々と続いてきた。
しかし、それで日本経済は何か変わったのか??
バブル崩壊以降、日本の名目GDPはほぼ500兆円、個人所得はほぼ180兆円、小売売上高はほぼ140兆円で、ずーーーっと、金融緩和を続けて来たにもかかわらず、日本経済は横ばいを続けたわけです(その意味では失われた20年というのも大きな間違い。日本は横ばっていたのであって、何も失っていない)。
覚悟のあるイエレン議長と根性なしの日本男児の差!?
挙句の果て、黒田総裁は、そうやって長期に緩和を続けても効果はなく、短期的に集中して緩和すればかならず効果がでる、と宣言し、物価水準2%を達成できなければ私は辞める、副総裁は腹を切る、といったような話までしてそれまでのマネタリーベースをほぼ100兆円のレベルから一気に300兆円を超える水準まで引き上げた・・・・
しかし、3年半たった今も何も変わっていない、というのが現実で、いい加減金融緩和はこれ以上やっても効果はありません、と一度敗戦宣言をして、みなさまでおやめにならないと、今回のようにこういう意味不明の、まさに「ブードゥー経済学」さながらの政策を打たざるを得ない、というのは明白です。
3年半もやって何事もおきなかったのに、今さら安定的に2%を超えるまでといわば半永久的に金融緩和を続けることをコミットすることに意味があるのか。むしろ、自分自身で エグジット(出口)を封鎖してしまったようなもので、一体黒田さんがいなくなったあと、次の総裁はどうするんだろうか、と他人事ながら心配になる。
FRBと対比をしてみると、だめならいつでも腹を切る覚悟のあるイエレン議長と根性のない日本男子たちのコミットメントの差、といっていいんじゃないでしょうかね。もう、いい加減、金融緩和をいくらしても効果がなかった、という歴史的事実と付き合う必要があるのです。
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