グローバルエリートは世界中のディズニーを訪問済み
さて、実はここだけの話、私はいい年してディズニーの大ファンであり、甥と姪を連れて東京ディズニーランドやディズニーシーに行ったのみならず、フロリダのも、カリフォルニアのも、香港にあるのも全部行った。そして意外なことに、これで現在、世界中にあるディズニーランドのすべてに行ったことになる。今後、上海や中東にできたら、これまた年がいもなく真っ先に開園式に参列するつもりだ。
ディズニーランドの深い歴史を振り返ったとき、個人的に誇りにしているのは21歳当時のクリスマスイブ、独りでディズニーランドに遊びに行ってロマンチックなカップルだらけの中、独りでディズニーランドとディズニーシーを十分楽しんでみせたときの思い出である。
はたしてディズニーランドマスター黒帯の資格を保有する(*編集部注:そんな資格はありません)グローバルエリートを、ディズニーランド・パリは十分楽しませることができるのか。以下に私の8時間におよぶ突撃取材の感想を書かせていただこう。
ユーロディズニーの入場チケットは世界最高に高い?
ディズニーランドパリスに入ったとき、まずその入場コストに驚いた。大人1人79ユーロ。日本円にして1万円であり、これはほかの国のディズニーランドに比べて随分高い。同行した友人も「値段を下げて人を増やさないから、ディズニーランドは何年たっても赤字なんだ」と憤る。
この強気の価格設定は、ヨーロッパにディズニーがここにしかないので、需要がここに集中するからだろうか。フランスは世界一観光客を集めている国で、その中でもディズニーランド訪問者はルーブル博物館やエッフェル塔訪問者を大きく凌駕しており、観光客の多くがユーロディズニーを訪れるのも、強気の価格設定に影響しているのだろう。
なおアジアには東京、香港、まもなく2015年に上海(香港ディズニーの実に5倍のサイズで、世界最大のシンデレラ城が建築中)が加わり、アジア人の格別なディズニー好きがうかがえる。これはディズニーランドの欧米的でおとぎの国チックなイメージの“現実からのギャップ”が、欧米圏の国々に比べてより一層、アジア人にとっては大きいというのも原因のひとつだろう。
ちなみに驚くのは、チケット販売のお姉さんの動きの遅さである。フランス人のレジさばきの遅さは世界でも定評があるが、ディズニーランドのオペレーションの最大のボトルネックは、チケット売り場のお姉さんが恐ろしく緩やかに働いていること、また夢の国である割に園内でもフランスの皆さんが煙草をぷかぷかくゆらせていることである。フランス人のタバコ癖は、ディズニーランドの中でも変わらないようだ。
この調子だと、あとでミッキーマウスや白雪姫もこっそり食堂の角でマルボロやマイルドセブンを吸っていたりして……といらぬ予感が頭をもたげてくる。
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