北朝鮮をめぐる、中国の苦悩と日本の無策 緊迫・北朝鮮ミサイル発射前夜?

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グローバル化の進展により、国の枠を超えて活躍する「グローバルエリート」が生まれている。しかし、そのリアルな姿はなかなか伝わってこない。グローバルエリートたちは何を考え、何に悩み、どんな日々を送っているのか? 日本生まれの韓国人であり、国際金融マンとして、シンガポール、香港、欧州を舞台に活動する著者が、経済、ビジネス、キャリア、そして、身近な生活ネタを縦横無尽につづる。
世界中が注目する北朝鮮情勢。海外メディアでの騒がれ方は、日韓メディアの比ではない(写真:AP/アフロ)

「ムーギー、いま韓国が大変なことになっているらしいじゃないか。北朝鮮が攻めてくるのか?」

最近この手の質問を過去数日間、レバノン人からもイタリア人からもロシア人からも中国人からも聞かれた。北朝鮮事情に関する世界的な関心が極めて高くなっている。そこで今回の“グローバルエリートは見た!”では、“緊迫!北朝鮮情勢”に関しグローバルな視点からコラムをお届けしたいと思う。

2009年と2013年の類似点

さて、Yahooニュースを見ていると、今にもミサイルが発射されるかのようなニュースが続いているが、別にこの“つくられた緊迫感”は今に始まったものではない。私の感覚としては4年前のデジャブを見ているようである。

2009年に北朝鮮は光明星2号の発射に成功した後、5月に2度目の核実験を行い、数日後に朝鮮戦争停戦協定からの退出を宣言。翌年3月に韓国の天安艦を爆破し、その11月には延坪島を砲撃した。

そして今回も状況が似ており、2012年12月12日に北朝鮮は“銀河3号”の発射に成功。続く2013年2月12日には3回目の核実験を実行し、それから間もない3月5日に朝鮮戦争停戦協定の破棄を宣言した(これほど頻繁に破棄が宣言される協定も珍しい)。

2009年に韓国軍の潜水艦や島の爆撃があった割に結局、周辺国にできることはなかったわけだが、一部で懸念されているような第2次朝鮮戦争は、中国による牽制もあり絶対に起こらないだろう。

今後も関係各国が制裁を強化するだろうが、もはや追加的にできることは限られてしまっている。かつ制裁の度合いも“体制を崩壊に追い込む”ような対応(例えば禁輸や海上封鎖)は北朝鮮の暴発を招くおそれがあるので実施できない、というのが現実だ。

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