日本人が知らない、アフリカ・スーダンの今 スーダン共和国、モハメッド・エルガザーリ公使に聞く

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さらに、深く入り込むために、言葉はとても大切なツールです。

――スーダンには570の部族があり、200以上の言語があると聞きます。

エルガザーリ公使:はい。スーダンは以前、日本の7倍の国土を持ち、アフリカで最大の国でした。今は南北に分かれたので、日本の5倍ぐらいですが、それでもアフリカでは3番目に大きい国です。ですからたくさんの部族と、言葉があります。

その中には口頭で伝えられ、文字がない言語もあります。南スーダンは今は別の国なので話を省きますが、北スーダンではそれぞれの民族が自分の言語を話すのに加え、共通語のアラビア語でも話ができます。第2言語が英語なので、英語もよく通じますよ。

本当にその国に溶け込んでビジネスを行い、生活をするためには、その国の言葉を知ることが重要です。

私が最初に日本に来たときにも、言葉がとても重要でした。日本語を話すようになってから生活が広がり、より日本の方々と親しくなりました。日本でも外国人が日本語を話すと、親しみを感じますよね?アラビア語を話したら、簡単に仲良くなれますよ。

イスラム文化では、とにかく「右」「右」

――どんなアラビア語を知っているといいですか?

エルガザーリ公使:やはり、基本はあいさつです。アラビア語であいさつすると、とても喜ばれます。

「こんにちは」は“アッサラーム アレイコム”、その返事は“ワアレイコムッサラーム”、「ありがとう」は“ショクラン”、「さようなら」は“マアッサラーマ”です。だんだん慣れてきたら”タマーム”=It’s OKという言葉も覚えるといいでしょう。

スーダンの人々は、とても家族を大切にします。スーダンの人と仲良くなったら次のステップとして、家に招待されるはずです、そこではスーダン流のもてなしを受けます。スーダンの人がいつもしているような食べ方・生活の仕方でのもてなしですが、それはすべてイスラムの文化からきているものです。そのスーダン流を知ることで、ビジネスにおける価値観やマナーなどの違いも知ることができるでしょう。

――具体的には、あいさつの作法はどうしたらいいですか?

エルガザーリ公使:握手でよいと思います。とても仲良くなってスーダンに溶け込んだら、男性は右手で握手をしてその後、右手で相手の方を軽くたたきます。

――右手で握手して、そのまま右手なのですね。日本人だと右手で握手して左手で肩を叩きそうです。

エルガザーリ公使:そこが重要です。イスラムの文化、スーダンでは「右」であることが大切です。左手で何かすることは相手に刃向かうことになります。

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