日本の課題は「人口、ナショナリズム、教育」

『2050年の世界』編纂者が日本の未来に警告

1960年代前半に日本の経済的急成長を言い当てた英『エコノミスト』誌が近著『2050年の世界』で将来を予測している。編纂者のジョン・アンドリュース氏に今後の日本の課題を聞いた。

──各国が大きく変貌する中で、日本をめぐる環境はどう変化しますか。

2050年の世界をさまざまな角度から見渡したとき、日本が直面する課題は大きく3つある。人口動態、地政学あるいはナショナリズム、そして教育だ。

現在70億人の世界人口は50年までに90億人になっている。そして100億人を超えた後は漸減していく。それまでに日本は有史以来の最長寿社会となっている。半分以上の日本人が52歳以上になり、勤労者が税金などで支払う政府予算にとって重い負担となる。定年をたとえば70歳に引き上げたとしても、依然として年金や医療制度に多大なプレッシャーになる。

世界中で高齢化が進むが、日本の事例は極端だ。それでも少しだけましなのは、なお富裕国であり続けること。中国では一部に富裕層がいるが、人口1人当たりでは貧しい。一人っ子政策のため、国が豊かになる前に年老いてしまう。中国は今まで30年間、医療制度が労働人口の大きな負担でない「人口ボーナス」があったが、それを使い果たしてしまう。

今後この人口ボーナスを得るのはアフリカだ。19世紀は英国の世紀、20世紀は米国の世紀、21世紀はアジアの世紀と考えがちだが、実際には50年までにアフリカの世紀にシフトする。

──地政学上の課題とは。

通常、経済力を持てば政治力を持ち、軍事力も持つものだ。その意味で日本は非常に特異な存在だ。第2次世界大戦の結果、米国との同盟関係を背景に日本は平和主義で拡張志向がない国となった。

一方、中国は拡張志向を否定してはいるものの、米国同様に世界各地に資本を投下している。米国は軍事力を背景に世界中で米国の経済的、政治的な利害を守っている。中国にも同様の現象が表れるだろう。

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