ガラパゴス化する、日本の自転車メーカー

アジアで自転車ブーム。でも、日本勢は「不戦敗」

3月の台湾は過ごしやすい。暑くもなく、寒くもなく、雨も多くない。羽田空港から早朝便のチャイナエアラインに乗れば午前10時に台北市内の松山空港に降り立てる。空港からタクシーに乗って15分ほどすると、台北サイクルショーの会場である「南港展覧館」に到着した。

国際サイクルショーはまるで世界をぐるりと一周するように開かれる。3月が台北、4~5月が上海。8月下旬のユーロバイク展はドイツのフリードリヒスハーフェン。9月には米国ラスベガスのインターバイク展がある。開催時期が重ならないのは世界のバイヤーたちの都合を考えてのことだ。

日本でも毎年11月に「サイクルモード東京」が開催されているが、世界レベルのサイクルショーとは認知されておらず、海外のバイヤーはあまり立ち寄らない。日本の自転車メーカーに商品力がないことが最大の理由で、サイクルモード東京の位置づけは産業見本市というよりも日本国内の自転車ファンに対するサービスの場ということになる。

日本のサイクルショーとの「格差」

規模で言えば、台北や上海のサイクルショーは東京の4~5倍は大きい。台北のショーは真剣勝負の場という雰囲気が漂う。

サイクルモード東京ではほとんど外国人のバイヤーを見かけないが、台北では外国人率が高い。主催者によれば、4日間の期間中に7000人以上の外国人が訪れ、前年比で10%増だという。彼らの目は真剣そのものだ。私と同様、空港から会場に直行し、トランクを引きずりながら明日のヒット商品につながる自転車や部品を探そうと会場を闊歩していた。

正直なところ、11月のサイクルモード東京の後に3月の台北サイクルショーを見ると、日本人としてはいささか恥ずかしい気持ちになる。このサイクルショーにおける「格差」は、隣の台湾が世界の自転車ビジネスの最先端を疾走しているのに、日本の自転車産業が世界から取り残された実情を、そのまま雄弁に語っているからである。

私が訪れたのは最終日だった。閉幕記者会見が開かれ、主催者が意気揚々と今年の成果を発表していた。出展企業が過去最高の台湾内外から1100社、展示ブース数はおよそ3000。外国人の訪問者数は7000人を超え、前年比で11%増だった。2016年からは手狭になった会場を2倍に拡充する、という。

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