LINE参戦で始まる「格安スマホ決戦」の構図 急成長中の楽天には「伸びる理由」がある
まず楽天ポイントのようなユーザーの明確なメリットが少ない。販路もLINEのサイトにおける販売のみで、リアル店舗の出店予定は当面ない。量販店への出店も「量販店側から話があれば」(LINEモバイルの嘉戸彩乃社長)と受け身である。
また、楽天で実際にログインしてサービスを利用する会員数は8301万人と、LINEユーザーを2000万人も上回る。顧客基盤の厚みという点でも、楽天の背中を追うのは容易ではない。LINEは今後、音楽や動画の配信、ECといった自社サービスとの連携を進め、ユーザーのメリットを創出することが重要になりそうだ。
市場拡大の一方、淘汰の波も
MVNO市場の伸びは目覚ましく、2016年末には2年前の3倍の700万人超に成長すると見込まれる。だが、市場の急拡大と裏腹に、淘汰の波も押し寄せている。
MVNOの事業者数をみると、2015年末時点で210社(総務省調べ)に上る。激しい価格競争が続いた結果、ほとんどの業者が赤字とみられる。実際、MVNOの先駆けである日本通信は個人向けの新規開拓を取りやめて、MVNO向けにシステム開発などサービスを提供する業態へと転換している。
収益化が厳しい事業であることは間違いないが、舛田氏は「赤字でいいわけではない。当然黒字を目指している」と断言する。強力なライバルがうごめく中で、どこまでシェア拡大を進められるか。LINEの挑戦は始まった。
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