スタンフォード流、修羅場のリーダーシップ 真のリーダーは、どんな選択をすべきか?

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水島さんは、フェファー教授の話を聞き、スタンフォード1年目にアドバイザーとして参加したスタートアップ企業での苦い経験を思い出した。

その企業は、eコマース関係の企業だったが、メンバーは全員香港系のエンジニア。日本人弁護士で、ITのバックグラウンドもない水島さんは、チームからは「まるっきりの門外漢」という目で見られたという。

「いろいろと分析し、リサーチしたうえで、アドバイスをしてみたのですが、議論もかみ合わず、話しても響かない。結局、その会社からはフェードアウトしてしまいました。チームの『彼には何もできない』という感覚がそのままそのとおりになったのです。

この授業を受けて、あのとき逃げずに、まずは自分から積極的にコミュニケーションを取り、信頼関係を築くべきだったと、改めて実感しましたね」

起業とマッキンゼー、迷う必要はない 

卒業後、法律事務所へ戻ることを前提に、1年間、シリコンバレーで働く予定の水島さんは、その1年をどう有効に過ごすか模索中だ。

今、取り組んでいるのが、「スタートアップ企業のアドバイザー」と「起業」の2つだ。

水島さんが情熱を傾けているWHILL社のパーソナルモビリティ

水島さんは、現在、WHILL株式会社(東京都渋谷区、杉江理社長)というスタートアップ企業をアドバイザーとして支援している。WHILLは、同世代の、有名企業の元エンジニアたちが立ち上げた会社で、歩道走行も可能な次世代パーソナルモビリティ(1人乗りの移動機器)の開発、販売を行っている。

もともと新しい技術、特にロボットやメカが好きだったことから、ボランティアでアドバイザーを買って出たという。

ボブ・ジョス教授、ジェフリー・フェファー教授の授業を受けた水島さんは、2人から学んだことをできるかぎり実践するよう努めている。

「法律とビジネスに関しては一定の知識はありますが、技術的なことは素人ですし、皆さんから『教えてもらっている』という立場です。極力自分から話し、質問し、コミュニケーションを密に取ることで、会社の信念を理解し、そのうえで『自分が貢献できること』を考えるようになりました。その結果、今ではチームの一員として認めてもらえているのではないかと感じます」

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