「そもそも、直属の上司との相性が悪いからって、避けていてはダメなのでは。コミュニケーションをあまり取っていないんじゃないか」
「部下として何かを与えてもらおうとするのではなく、直属の上司が今何を必要としているかを分析し、その上司をサポートしてあげることで関係は改善できるのではないか」
そんな中、こんな意見も。
「自分から去るっていう選択肢もあるよね。上司の上司に相談して、異動させてもらうとか、転職するとか」
授業では、最終的な解決策として、自分が部下のケースであれば「自分が転職する」、自分が上司であれば「部下を解雇する」ということも考えるが、「そこに至る前に何ができるか」をトコトン考える。
「一見不合理と思えるような状況に、どう対峙したらいいのか、自分なりに考え方の枠組みが見つかり、物事をポジティブに考えられるようになりました。
これまで、物事がうまく行かないとき、『他人や社会制度は変わらないのだから、どうしようもない』と思いがちでしたが、自分が現実を受け入れ切れておらず、状況を打開するために十分に努力していなかったことに気づいたのです」(水島さん)
フェファー教授が、講義で何度も伝えていたのが、「周囲の人々がリーダーに感じていることは現実になる」ということだ。教授は話す。
「周りの人々が『あの人は、私たちの組織に価値をもたらさない人だ』と感じてしまうと、そのリーダーは実際、価値をもたらすことができない。周囲から貢献する機会が与えられないばかりか、仮に貢献したとしても、その人の実績だとは認識されないからだ。
こういう不合理な状況に直面すると、ついリーダーは『この状況は正しくない』と思ってしまうが、これが現実なのだ。現実を受け止めたうえで、現実に対峙して初めて、リーダーとしてやるべきことが達成できるようになる」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら