国債の価格下落(金利上昇)による負担が大きくなるリスクが大きいため、金融緩和政策について反対とのことだ。かつて与党時代に前原氏は金融緩和政策を重視していた経緯があるが、見解が変わった理由は筆者にはわからない。
同氏は、日本銀行が国債購入を行う金融緩和策には反対の姿勢を示している。ただ、言うまでもないが、大量の国債購入は米FRBをはじめ多くの先進国中央銀行が行っていることであり、日本銀行の政策が特異なわけではない。また、先行して国債大量購入を始めた米FRBはその手じまいを慎重に進めているが、混乱は起きていないのが実情である。投資家目線でみると、前原氏のこうした見解には強い違和感を覚えるかもしれない。
司令塔はごく少数の政治家が支えている
以上を踏まえると、どの候補が民進党代表選挙で勝利するにしても、代表候補者を解釈する限り、経済政策運営について安倍政権に対して建設的な議論は期待するのは難しいと思われる。数少ない希望を挙げれば蓮舫氏が、「アベノミクスには一定の成果があった」との認識を示し従来から認識が変わっていることで、今後周囲の声に耳を傾けそうした認識が強まることだろうか。ただ、アベノミクスの成果と金融政策の重要性についての理解度はまったく不明である。
現段階では、経済運営の司令塔の役割は、現政権を支えるメンバーを中心としたごく少数の政治家に支えられていると考えられる。これが、日本経済・金融市場の最大のリスクの一つである状況は変わらないだろう。
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