つい太る人は「脳の暴走」の止め方を知らない 意外と知らない食欲の「4つのそらし方」

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“ちょびちょび”の目安はというと、約3センチ。これは人の口幅に相当します。ひと口の量が、自分の口幅よりも大きくならないようにするとよいと思います。

実は本来、刺身の大きさも3センチと決まっています。すべての料理をはしで食べる和食は、ナイフなどを使わなくても食べやすいように食べ物の大きさが整えられています。そのひとつの目安が、一寸(3センチ)。これは、お客さまがひと口で食べやすく、料理を最もおいしく味わえる大きさだからです。

つまり、3センチを意識して「ちょびちょび食べ」をすれば、見た目も美しく、料理もおいしく食べられるということ。仕事関係の人と会食をする機会も多いビジネスパーソンに、ぜひ身につけてほしい習慣でもあるのです。

噛む回数を増やす

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ただ、ひと口を小さくしても、あまり噛まずに飲み込んでしまっては意味がありません。よく「一口30回噛んで食べましょう」と言われますが、それができればベストです。とにかく噛む回数を増やすことを心掛けてみてください。

コツとしては、「ひと口食べたら、顔を上げる」を意識すること。

テーブルの上の料理にばかり目を向けていると、どうしても勢いよく食べてしまいがちですし、「犬食い」になりやすくなります。背中が丸まっていると消化にもよくありません。ひと口食べるごとに顔を上げて、よく噛んで食べるようにすれば、胃腸の働きもよくなりますし、食べ方もきれいに見えます。

「食」という字は「人を良くする」と書きます。

では、みなさんにとって食事は、よい時間になっていますか? ただおなかを満たすだけになっていませんか?

1日数回の食事は、一生繰り返されるものです。ただなんとなく過ごすのではなく、体をいたわり、元気にする時間にしましょう。体を疲れさせない食べ方を心掛ければ、体も頭もすっきり軽くなるのが実感できるはずです。

小倉 朋子 フードプロデューサー。亜細亜大学・東京成徳大学非常勤講師。

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おぐら ともこ / Tomoko Ogura

トータルフード代表取締役。フードプロデューサー。亜細亜大学・東京成徳大学非常勤講師。トヨタ自動車、国際会議ディレクター、海外留学などを経て、「ようやく天職に」と食に一本化。世界各国のテーブルマナーと食を学びつつ、生き方を整える「食輝塾」主宰。飲食店や企業のメニュー開発のほか、各種食関連委員を務め、あらゆる食のトレンドに精通する「食のスペシャリス」ト。テレビ、ラジオにも多数出演。日本箸文化協会代表。 著書に『世界一美しい食べ方のマナー』(高橋書店)、『世界のビジネスエリートが身につけている教養としてのテーブルマナー』(SBクリエイティブ)ほか多数。

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