「シェール革命」、大阪ガスが先手 来13年度には早くも利益貢献へ

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ガス需要は、今期実績見込みの前期比1.9%減少から、来期は同0.5%の増加に転ずる見通し。今期ほど冬の暖房需要が伸びないと見て家庭用は減少、省エネの進展により商業用と公用・医療用では減少と想定するが、「景気回復と需要開発によって工業用が牽引すると見込んでいる」(大阪ガス)。

国内のガス事業を中核とする大阪ガス本体では、円安による原料LNG価格高に伴う燃料費調整(価格転嫁の値上げ)と需要増で、売り上げは増加するが、原料LNG高が先行するため、時期ズレの差損が拡大し、今期と比べて減益の計画となる。

米国シェール事業などが本体ガス事業を補う

一方、本体の減益見通しを補うのが、国内ガス以外の多角化事業。

とりわけ焦点となるのは、大阪ガスが昨年6月、日本のエネルギー会社としては初めてシェールガスに直接投資し、権益を取得した米国テキサス州のピアソール・シェールガス・オイル開発プロジェクトだ(写真)。大阪ガスは同プロジェクトの権益分として、年間で25万トンの天然ガスの生産を見込むほか、軽質原油も生産している。

エネルギーを使う大阪ガスのような企業が、エネルギーを生産する“上流”事業に参画するのは、「LNG調達力の強化、LNG価格上昇局面での収益獲得による全体収益のヘッジ、事業ノウハウの蓄積やさらなる案件情報の獲得力といった目的のため」(大阪ガス)。また、将来的には、前述のフリーポート社のLNG基地やLNG船もからめて、トレーディング事業へ展開する狙いも秘める。

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