地元のお母さんから、石巻市長までが集う場に
正直、「コワーキングスペース」という単語自体は、東北ではそんなに浸透していないが、それでも「面白い場所があるから、使ってみようか」という人はどんどん増えていっている。
ここを、正式な自分の事務所として登録する人まではまだ現れていないが、それでも、東北の支援にかかわる仕事をしている人たちがつねに出入りする。いつもオフィスには打ち合わせする声、そして笑い声が絶えない。
オフィスに出入りする面々は、実にさまざまだ。石巻のお母さんのためにパソコン教室が開かれたり、週に2回、NPOのカタリバという団体が教育支援の一環でスカイプを使って、フィリピンの若い先生との英会話レッスンを高校生に提供したりもしていた。
キッチン用のテーブルもよく使っていただいている。仮設住宅のおばちゃんが石巻の郷土料理を作るイベントを開いたり、「復興デパートメント」で搬入した 食材を使い、みんなで料理して食べることも多い。そしてそこから、新しい企画が生まれることもたびたびある。
コワーキングスペースの夜は長い。夜になると、三陸河北新報社の重鎮たちや、なんと石巻の亀山市長までもがやって来て、みんなでワイワイ飲むこともある。肩書や年齢もさまざまな人々が、気軽に足を運んでくれる場になっているのは、ありがたいことだ。
東北ではまだまだ珍しい「コワーキングスペース」の機能を持つ「ヤフー石巻復興ベース」は、このようにさまざまな形で活用が進んでいる。
冷蔵庫も冷凍庫も、レンジも炊飯器も魚焼き器も、地元のお酒やなぜか泡盛、そして寝心地最高のソファーもあり、テレビはもちろんダーツまであるので、もはや住めてしまうのですよ。ここにお風呂があったら、われら石巻メンバー、もう家に帰らないな、きっと……。
(構成:渡部由美子)
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