ヤフーに限らず、今の時代のIT企業においては、気軽に入所できる“ウォークイン・ウォークアウト”なオフィスを作るのは前代未聞だと思う。同業者なら誰でもビックリするはずだ。
そういう意味で、「ヤフー石巻復興ベース」はヤフーの中でも最先端のオフィスと言ってもいいかもしれない。
しかし、新たに作る「ヤフー石巻復興ベース」を、僕らは石巻の若い人が積極的に交流し、何かを生み出すような社交的なスペースに、どうしてもしたかった。そこで、社内外にその意図を説明して回った。
そして、Wi-Fiで社内専用ネットワークを飛ばしてもらい、ゲスト用の無線LANと分けたり、一部、施錠するエリアを作ったりと、一定のルールを設けることを条件に、なんとか了承を得ることになったのだった。
最終的な施工・工事に関してはすべて須永が担当してくれた。設計については、ヤフーの施設管理の部署とやり取りを重ねて進めていった。
「コワーキングスペース」のようなユニークなオフィスに、ヤフーの施設管理の人も興味津々だったようだ。面白がってノリノリでかかわってくれる社員が多かったのは、ありがたいことだった。
また同時に、大勢の人が集まったとき、共同作業をしやすい環境も整えていった。
新オフィスの広さは共有部分を含めて約120平方メートルあるが、開放的な空間にするため間仕切りをあえて設けず、ミーティングスペースはすぐにアイデアが書けるように壁一面をホワイトボードにした。
さらにカフェやキッチンをイメージしたエリアを設けて、ステンレスのテーブルを置いて、冷蔵庫や冷凍庫などもフル装備した。
人の脳みそがいちばん柔らかくなって、いいアイデアが生まれるのは、みんなでお茶をしたりご飯を食べているときーー。「コワーキングスペース」の事前リサーチをする中でそう知ったからだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら