仕事をド忘れする人は脳を信用しすぎている

脳のメモ帳をとことん生かす仕事術

それに、新人のころからメモを習慣づけておくことで、数年後、より高度な業務を同時並行で進めなくてはならないときにも、ワーキングメモリをオーバーフローさせることなく業務が遂行しやすくなることを上司も(ワーキングメモリのメカニズムはわかっていなくても)経験上、わかっているのです。

メモ術を選ぶ基準は 「一番、気楽にできそうなもの」

『仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方』(クロスメディア・パブリッシング)。画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

メモが面倒だと感じる人にぜひお伝えしたいのは、完璧な記録など残す必要はないということです。

メモは本来「記憶のフック」として機能すれば十分。脳のメカニズム上、ひとことでもなぐり書きをしていれば、よほど情報が多いか時間が経つかしなければ、芋づる式に情報が引き出せます。メモの体裁やとり方などは、本来はなんでもいいのです(もちろん、電話の取り次ぎメモなど、他人に情報を伝えるものは除きます)。

私の場合はメモを入れる封筒を机の横に貼っただけでした。メモ用紙など買っていません。それこそナプキンでも紙の裏でもお箸袋でもなんでも構わなかったのです。とにかく仕事中に気づいたこと、思いついたことを書いて封筒に放り込みました。そして時間があるときに、封筒をひっくり返してメモを整理し、仕事の改善に役立てていたのです。私にとって大事だったのはメモが散逸せずにまとまる「場所」だったワケです。

逆に言えば、メモ自体に関する細かい取り決めをしなかったことがよかったともいえます。仕事をしていてメモをすべきだなと思う瞬間は度々訪れます。そのとき手元にお気に入りのメモがないこともあるでしょう。
メモの作法にこだわりを持ちすぎると、作法通りにいかないときにモチベーションが下がったり、無意味に行動に制約を加えてメモする手間がだんだん面倒になったりするものです。すると「じゃあ、この情報だけは記憶に頼ろう」と言い訳をしがちになります。それでは本末転倒です。

「何事も形から入る性格なので」という人もいるでしょうし、それを全否定するつもりはありません。ただ、作法とは手段であって、目的ではないことだけは認識しましょう。

目的はメモを習慣づけて、ワーキングメモリに頼らないことです。これからメモを習慣づけたい人は、自分にとってもっとも気楽な手段、続けられそうなルールを選ぶことがベストです。

(お知らせ)9/27(火)に筆者の出版記念セミナーが東京・南青山で行われます
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