超想定外!海外インターンの「あるある悲劇」 実際にあった3トラブル、どうすれば防げた?
これは海外就職の場合も同じですが、海外企業が採用の際に最も重視するポイントは、「Education(学部・専攻)」「Work Experience(職務経験)」の2つ。よって今回のOさんのように、いくら英語力が高くても学部が文学部の場合、ビジネス系のインターンシップの参加に苦労することが往々にしてあります。
私個人の意見ですが、海外で働く第一歩として、まず大学の学部や選考に関連性のある受入先で職業経験を積み、その次のステップから希望の分野に挑戦するのが現実的でしょう。海外インターンシップを扱うエージェントによっても参加条件や案内方法も違いますので、その点も注意が必要です。
最後に、これもけっこうありがちなビザのトラブル事例です。
現地の空港で、まさかの入国拒否!
■ケース3:Aくん(工学部・2年生)
関西の国立大学に通うAくんには、将来シリコンバレーで起業したいという夢があり、現地のIT企業での短期インターンシップに参加することにしました。英語力には自信がなかったものの、高校生の頃からプログラミングが得意で、ITの知識には自信がありました。
まず英文履歴書の作成に取り掛かります。先ほども紹介したとおり、重視されるのは「Education(学部・専攻)」と「Work Experience(職務経験)」。理系のインターンシップ面接の場合は上記に加え「Skill(特技・技能)」も重要なアピールポイントです。英文履歴書の中にプログラミングができることや、C/C++ 、Java、JavaScript、PHPなどの具体的な言語も入れてあると、なお説得力を増します。
続いて英語力アップと面接練習に取り組み、なんとか自己PRのレベルアップも図ることができ、1社目の面接で見事合格となりました。
ところが渡航の日、思わぬハプニングに見舞われます。入国審査で「入国の目的は?」と問われ、Aくんは「インターンシップに参加するため」と回答をしたところ、別室に呼ばれ、「ビザを持っていないので、入国は許可できない」と言われてしまったのです。
アメリカでインターンシップに参加する場合、「J-1(交流訪問者)ビザ」などの専用ビザが必要になる場合があります。Aくんは電子ビザ(ESTA)で渡航したため、問題となってしまったのです。結局Aくんはアメリカでのインターンシップは断念し、エージェントが急遽手配したシンガポールでのビジネス研修に参加し直すことになりました。思わぬ形で、せっかくのチャンスを逃してしまったのです。
入国審査やビザは非常にデリケート。それ以降の渡航の際にも履歴が残りますので、どの種類のビザを取得してインターンシップに参加するかは極めて重要です。実際「インターンシップ」と名が付いていても、内容は本格的な就業に近いものから研修型のものまでさまざま。簡単なビザで問題ないもの、専用ビザが必須のものなど、詳細な情報を事前に確認し、入国審査での問答まできちんと想定してから参加しましょう。
もちろんエージェントのほうでは口を酸っぱくして事前の注意喚起を行っていますし、ハンドブックなどにも記載しています。が、100人参加者がいれば、その中で1人2人、必ず忘れてしまう人が実際に出ています。「そんなバカなことは……」と思わず、自分事として注意してくださいね。
先日の経団連の発表によると、2018年春入社を対象とした企業の採用活動は、今年と同じ日程で行う方向で調整中といいます。海外インターンシップのニーズがますます高まると予想されますので、参加を予定する方は、しっかりとした準備の上、挑戦いただければと思います。
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