卓球男子が超速で「世界最強」に近づいた理由 悲願の「中国超え」も夢ではない

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3つ目の理由として、卓球界における圧倒的な王者、中国対策が着実に実を結んでいることが挙げられる。もちろん、今大会でも中国は団体で男女ともに金、シングルスでも金と銀を獲得しており、その強さに変わりはない。特に女子においては、福原愛選手が銀メダルを獲得した李暁霞(リ・ギョウカ)選手に完敗を喫するなど、中国との力の差をはっきりを見せつけられた。

だがそれでも、男子では中国に一矢報いる場面もあった。団体決勝の第2試合、水谷対許キン(キョ・キン)の一戦だ。水谷は中国対策として、得意とする後陣プレーではなく、中陣から前陣のポジションを取り、高い打点での早いラリーをすることで、許キン選手の力強いドライブボールをねじ伏せることに成功。特にバックサイドに長く入ったボールを、許キンのフォアサイドにレシーブするプレーは何度も許キンの裏をかき焦りを誘った。それもあってか、ファイナルゲームは、見事な大逆転劇となり、念願の「中国超え」を果たしたのである。

許打破につながった一戦

これまでも水谷は、このような戦術(前陣から中陣での早いプレー)を世界選手権やITTFワールドツアーなどの大きな舞台でも試みていたが、どうしても中国選手戦ではパワーに押され、後陣に下げさせられていた。が、今回ポジションを後陣まで下げず対戦できたのは、シングルス準決勝で対戦した馬龍との一戦があったからだろう。

水谷は、第1〜第3ゲームを落としてしまったものの、第4ゲームでは、フォアハンドの高い打点での見事なカウンターボールを決め、1ゲームを奪取。第5ゲームは、力強いドライブの打ち合いに競り勝った。これで流れは水谷に優勢になったが、第6ゲームを落とし、惜しくも負けてしまった。ただ、この試合、特に4ゲーム目以降のプレーが、中国選手攻略への糸口へとつながったのではないだろうか。

すなわち、パワー、そして、回転量が多い中国選手に対しても、早い打点、早いボールで対抗することで一泡吹かせることができるわけだ。現在、世界ランキング6位の水谷が、世界トップ4に君臨する中国選手たちを撃破するのに、研究に研究を重ねてきた結果が出たと言っていいだろう。

さて、今回大躍進を果たした日本卓球会は、2020年の東京大会で一層飛躍するために、何をすべきだろうか。

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