「4種類の集中」を知る人はガス欠にならない

目標設定は人間の脳を刺激する有効な方法だ

目の前の集中力、長期・短期の目標設定も大切だが、鍛錬や練習を積んだら「忘れる」ことも必要だ
2013年全英オープン覇者でPGAツアー通算42勝を誇るプロゴルファーのフィル・ミケルソンが取り入れたメンタルメソッドはどのようなものなのか。前編では、6つの心理的要素で構成されるプレショット・ピラミッドのうち、「姿勢」「モチベーション」「コントロール」を紹介した。今回は、残りの3つを紹介しよう。
          前編:一流プロゴルファーが実践する「心」の鍛え方

 

心のタンスに「いろいろな1日」を蓄える

姿勢、モチベーション、コントロールに続く4つ目の要素は「最大化」だ。「よいプレーをするためには、あなたの技術より、あなたの思考を最大限、理想の状態にする必要があります」とラードン博士。ポジティブな思考はいいムードを醸成し、それがさらにポジティブな思考を生み出す。その具体例として、ラードン博士は五輪の米国代表選考会の最終レースでハードルにつまずき、落選した女子選手の話を挙げている。

「私はいつも肝心な場面で臆病になってつまずくのよ」と声を荒げる彼女に対し、ラードン博士は彼女がこれまで積み上げてきた実績の1つ1つを紙に書くよう指示した。「高校選手権優勝」「全米学生選手権優勝」などと書いた彼女に「それらに勝ったのだから、いつも肝心な場面でつまずいたわけではないでしょう?」と話すうちに彼女のマインドは前向きになり、「次は絶対に最後のハードルを越えてみせる」と彼女は誓った。そして6カ月後、彼女は国内記録を更新し、翌年には国際大会で優勝。そして次の五輪代表に選ばれたそうだ。

こうした気持ちの切り替えはとても大切だが、ベストなプレーをするためには、いろいろな日々が訪れることをあらかじめ理解し、どんな日が訪れようとも驚かないでいられるよう、心のタンスに「いろいろな1日」を蓄えておくといいとラードン博士は書いている。

たとえば、いつも同じ手順でラウンド前に練習場に行く人は、まったく同じ手順でまったく同じことを悪天候の日にも行なっておくと、実際に風雨に襲われたときに焦ることなく対処できる。事が起こる前に練習し、備える。それをやらずして、突然何かに対処することなどできない。

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