「トップ営業になる」という目標がダメな理由 成果を出すには、目標の立て方から変えよう

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最後は、「検証のワナにはまらない」についてです。

検証のワナにはまらない

せっかく目標を立てたのであれば、本当に目標に近づいているのかどうかを確認しなければいけません。もし目標に近づいていなかったり、目標からズレていたら、あなたの行動を修正しなければならないからです。

ここで、よく起きる間違いは、目標達成のための行動以外も検証してしまうことです。目標に近づいているかどうかではなくて、自分がとった行動に「何か意味があったのか」を検証してしまうのです。

たとえば、「一日に必ず1件余分にお客さんを訪問する」という目標を立てたとします。この場合に検証すべき結果は、ただひとつです。これまでよりも一日につき1件多くお客さんを訪問できているか。それ以外のことは目標としていないのですから、どのような変化があったとしても、それは偶然にすぎません。しかし、休憩時間の無駄話が減っているとか、以前よりもお客さんとの対話が効率的になっているなどの都合のいい検証をしてしまうことが多いのです。

このような間違いが起きるのは、目標があいまいだからです。このような検証をいくらしても、何もしていないのと同じです。なぜならば、そもそも目標が具体的に決まっていなかったのですから、結果としてどのような傾向があったとしても、それは目標に沿ったものかどうかはわかりません。

目標に向かって頑張ったのであれば、目標と結果とを一つひとつ比べて、検証できなければいけません。そのためには、実際の行動の結果と一つひとつ比較できるように、目標を立てなければなりません。

たとえば、「×月×日までにAとBをすることでCになり……」というように目標が定めてあれば、――×月×日までに、Aという行動とBという行動を本当にしたかどうか、その結果Cという状態になっているかどうかをしっかりと検証することができます。

このように目標を定めれば、目標を達成できる確率は格段に高まるはずです。

坂本 松昭 マネジメントストラテジスト

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さかもと まつあき / Matsuaki Sakamoto

神奈川県生まれ。東京大学大学院理学系研究科修了(理学修士)。政策研究大学院大学修了(公共政策修士)。専門は、経営管理、データサイエンス。

都市銀行勤務を経て、現在は大手企業に所属。単独部門では解決できない全社的な問題解決に取り組むほか、中小企業経営にも参画の経験がある。組織力強化のためのメソッドを提唱し、多くの職場で成果を出している。

著書に『誰がやってもうまくいく!最強の組織づくり』(同友館)がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

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