「トップ営業になる」という目標がダメな理由 成果を出すには、目標の立て方から変えよう

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このことの大切さは、集団での目標にもあてはまります。たとえば、「休憩時間以外は仕事に集中して生産性を高める」という目標を立てたとします。しかし、当然、「職場でのコミュニケーションが悪くなった」「社員同士が雑談する姿を見なくなった」などの問題が起こり得ます。この場合にも「生産性を高めるためには、雑談時間を持つことは目標としない」などとはっきりと決めておくことが大切です。

達成された姿を鮮明に描き出す

次は、「達成された姿を鮮明に描き出す」についてです。

目標は、具体的にどのように立てていったらいいのでしょうか。ここで大切なことは、あいまいなものは目標ではないということです。ああなれたらいいな、という漠然としたものや、あんな道に進みたいな、というようなもの……。たとえば、「トップ営業パーソンになりたい」のようなものです。このような目標では、トップ営業にはなれないことは分かると思います。しかし、現実には、これと同じような目標の立て方をしている人がとても多いのです。

どのようなお客さんにどのようにアプローチをして、何をいつどのくらい売ることでトップ営業になるのか。そのために必要なものは何か。何を犠牲にしてもいいのか。

もしトップ営業パーソンになりたいというのであれば、「××の商品を、×年×月までに、××なお客さんをターゲットとして、××件販売する。×カ月後には××にまで販売商品の範囲を広げる。そのために、×年×月までに××をして、×年×月には××できるようになる……。」と目標を、はっきりと具体的に書き出さなければなりません。何が揃えば具体的なのかということについては、後の項で説明します。

また、目標をスローガンと混同している人がとても多くいます。私がこれまでに指導した多くの人もこれと同じでした。私がここでいう目標の立て方は、最初はまどろっこしく感じるかもしれません。しかし、本当に達成するための目標とは、細部にわたって一つひとつ丁寧に定めたものをいいます。それゆえに、目標とスローガンとは似ても似つかないものです。

たとえば、スローガンとは、「営業でナンバーワンになる!」というようなものです。このようなスローガンには、目標を達成するための士気を鼓舞したり、行動をブラさないようにするなどの効果があります。つまり、スローガンとは、目標を達成するための1つの手段に過ぎないのです。

ですから、目標とスローガンが一致するなどということもありません。目標とスローガンの違いをここまで強調するのは、それほどまでにこの2つを混同する人が多いからです。これは典型的な目的と手段の混同です。

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