もういちどいいますと、矢印の向きの正しい意味は、「四季報の前号の業績予想と比較して、変化の割合に応じて、矢印の向きが変わる」となります。
繰り返しですが、矢印の向きは、5種類あります。
上向き矢印2つ=前号比で予想営業利益が30%以上増加
上向き矢印1つ=同5~30%未満の増加
横向きの矢印=同5%未満の増加または減少
下向きの矢印=同5~30%の減少
下向き矢印2つ=同30%以上の減少
矢印の意味を正確に理解していないなら、矢印が上向き2つ、あるいは、1つで、単純に買い付けを検討するはずです。「飛びつき買い」になってしまう危険があります。もちろん、それは誤りで、予想と比較しての変化の割合ですから、前回の矢印を見ないと銘柄選別が始まりません。
つまりは、四季報は、前号が不可欠なのです。前号との比較であれば、その前号がなければなりません。ここが必勝ポイントです。矢印の向きの意味が理解できていれば、今回がたとえ、横ばいであっても、買いを検討できる、あるいは、保有中なら、安心して保有の継続ができる、などといった判定ができるわけです。
四季報発売前後に、心がけたい投資行動とは?
さて、いよいよ、四季報発売の前後にしていただきたい行動です。ずばり、矢印の向きの「織り込み」です。つまり、「その銘柄についての過小評価や過大評価、つまり誤った理解をしている投資家の、売買の織り込み度」をチェックする作業です。
この誤った理解による売買行動は、時間の経過とともに修正されます。ですから、勝ち組投資家は、いずれ修正されるという「情報の差」に勝利の女神を探しに行く行動を取ります。誤って高くなってしまった銘柄は、いずれ下がる方向に向かいます。一方、反対に、誤った理解によって売り込まれて実力以下に割安になった銘柄は、「妙味あり」とめざとい投資家が、食指を動かすはずです。
こうした勝ち組投資家の行動は、丹念にマーケットを見ていけばキャッチできます。売買高の急増や急減、あるいは、ローソク足の形状(たとえば、実体の長短やヒゲの長短など)が参考になります。こうして「誤ってついている株価」を修正する動きが加速するのが、四季報の発売前後なのです。
ぜひ、みなさんも四季報発売前後のマーケットの動きを追いかけてみてください。通常の期間とは異なる動きをすることが実感できる週になるはずです。
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