試合の1球は練習の1000球 飲んでもさぼらない!毎日のトレーニングこそ自信の源

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4月第2週はマスターズ、その翌週から日本国内も男子ツアーの開幕と、あと少しでゴルフシーズン到来となります。

多くの選手が国内の開幕までに米国やアジアでの試合に出て試合勘を体になじませていますが、とってもいい事だと思います。試合の一球と練習での一球は、その重みがまったく違い、また、それが大舞台だとさらに、その重みが増すんですね。知らず知らずに私がそれを感じたのが、マスターズです。例年、コースには早めに入り、練習日に各ホールの攻め方を体や頭に覚え込ませるんですが、練習日と試合当日とはコース全体がまったく違ったステージとなるのです。

毎年一緒に行っていた女房ですら「今年のマスターズは何を着て行こうかしら」と言っていたほど、ほかのメジャーと違って自然に気持ちが華やぐのですね。パトロンたちも同じ事、選手がアドレスに入ると急に一瞬静まり返りますが、ボールがピンにでも絡んだら、待ってたとばかりに一斉に歓声がコース中に響き渡ります。それが、あっちこっちのホールから耳に入りますから、せっかく練習日に組み立てたゲームプランがもろくも崩れてしまうことが多かったのです。でも、プラス思考の私は、何でも良いほうに考えてしまい、このマスターズの不完全燃焼が、こうして今も現役プレーをさせてくれるように思うんです。

今年もシーズンに向けて準備万端、正月も三が日が済むとすぐ、鳥取にある「ワールドウイング」へ。もう20年も前から年に2度ほど出掛けますが、今年も10日間行ってきました。ここのトレーニングは初動負荷理論というそうですが、私からすれば体中の関節が緩み、体全体から力が抜けたような感じがするんですが、これが体の柔軟性を作るんでしょう。シーズン中・オフに関係なく、私の毎朝の日課はストレッチポールという円形の筒に仰向けになり、2ポイド(900グラム)の鉄アレイを両手に持って体を鍛える、というより背筋、腹筋を伸ばすんです。旅先で鉄アレイがないときはペットボトルを持てば十分です。そんなことを40分もやれば軽く汗が出る、これが体調の良い証拠ですね。こんなことを何十年も続けているんで、今もドライバーの飛距離は270ヤードほど。日頃のトレーニングがないと、仮にドライバーが飛んでもブレが大きくなるんです。

そりゃ、前の晩にも飲みすぎたり、付き合いで遅くなったりすることもあります。だから朝のトレーニングはお休み、・・・そんな癖をつけると人間弱いものだから、何か休みの理由を見つけるようになるんですね。これが怖いんです。何があっても人間、体が資本。良いプレーをお見せするためにも、プロゴルファーとしての誇りを持ち続けるためにも、毎日のトレーニングは欠かせません。

今年の日本ツアーは、4月のつるやオープンから試合出場予定です。

青木 功 プロゴルファー

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あおき いさお

1942年千葉県生まれ。64年にプロテスト合格。以来、世界4大ツアー(日米欧豪)で優勝するなど、通算85勝。国内賞金王5回。2004年日本人男性初の世界ゴルフ殿堂入り。07、08年と2年連続エージシュートを達成。現在も海外シニアツアーに参加。08年紫綬褒章受章。

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