ポケGO大ヒットの裏で進む「もう1つの異変」 「インディーゲーム」の凄まじい可能性

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『マインクラフト』は、マルクス・ペルソンが開発し、その後、全世界で2000万本を超える大ヒットとなったゲームです。特に子どもに大人気で、お子さんのいる読者であれば、プレイしているところをみたことがあるのではないでしょうか。マルクス・ペルソンが立ち上げたMojang AB社は、最終的にマイクロソフトに買収され、世界的なインディーゲームの成功例として伝説となりました。

また、『Pokémon GO』においても、その前身となった『Ingress』は、Googleの社内スタートアップによって作られたNiantic Labsの開発したゲームです。この『Ingress』とNiantic Labsの関係も、インディーゲーム開発といって過言ではありません。

このように、インディーゲームは、単に「個人開発者が作ったゲーム」という小規模なレベルものではなくなっています。現在、ゲームの世界市場は10兆円を超える規模となっており、インディーゲームは、この市場を大きく揺るがすルーキーとなっているのです。任天堂による「Nintendo Developer Portal」の開設も、この大きな流れのひとつであると言えるでしょう。

インディーゲームのヒットの原動力

なぜ、このような個人ゲーム開発者・小規模ゲーム開発会社が、このような大ヒットを生み出すゲームを作ることができるのでしょうか? そのキーワードは「自由」です。

ビデオゲームの歴史は、まだ40年ほどしかありません。しかし、その市場と技術の成長は著しく、現在ではAAAと呼ばれる大型ゲームを開発するためには、100人単位のスタッフと数十億円の開発費を投入しています。世界で大ヒットを記録したゲーム『グランド・セフト・オートV』では2億6500万ドルの開発費が投入されています。『Destiny』と呼ばれるゲームでは、5億ドルの開発費が投入され、ゲーム開発費の世界1位となりました。どちらも大ヒットし、ビジネスとしても成功しています。

しかし、このような華々しい成功の裏で、膨大な開発費を投入したにもかかわらず、ビジネスとして大失敗したゲームプロジェクトも少なくありません。また、このような大型プロジェクトはリスクも大きいため、内部の開発スタッフは「成功するための努力」以上に、「失敗しないための努力」も強く求められます。そのため大型ゲーム開発プロジェクトにかかわるスタッフたちは、クリエーティビティにおける「自由」を感じることが少ないと思いはじめました。

そこで、2010年ごろから、メジャー開発スタジオから自由を求めてゲーム開発者たちが独立し、「インディーゲーム」の潮流を作りました。また、2010年には、Unity Technologiesが開発したゲームエンジン「Unity 3」の公開によって、高度なプログラム技術が必要とされるゲーム開発の敷居が大幅に下がりました。さらに、Unity Technologiesは「ゲーム開発の民主化」をスローガンとし、Unityエンジンを無料で提供することで、全世界でゲーム開発コミュニティを形成し、ゲーム開発未経験の一般人をゲーム開発者にすることに成功。この流れは、AAAゲームタイトルを支えるEpic Gamesの「Unreal Engine」の無料化にもつながり、現在では、ゲーム開発のスタートアップは、小規模なものなら0円で始められる好環境となったのです。

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