羽田発着の米国便はどれだけ便利になるのか ANAとJAL「昼間帯解禁後」の新ダイヤ

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アメリカ系航空会社では、8月10日(米国時間)にデルタ航空がヴィネイ・デューベ副社長(アジア太平洋地域担当)の名前で声明を出し、成田―ニューヨーク線をはじめ、成田―バンコク、成田―関西線(乗り継ぎ専用便)を10月29日から運休させることを発表した。

成田―ニューヨーク線廃止は痛手になる可能性がある

デルタは当初から現行の成田で使っている発着枠を羽田でも使えるように主張していたが、それはかなわなかった。ユナイテッドはANAが加盟するスターアライアンス、アメリカンはJALが入るワンワールドという国際アライアンスを組んで、共同事業も展開しているが、デルタが属するスカイチームには日本の航空会社がない。

デルタは最近、米国本土から上海など中国への直行便を強化しており、デルタと合併する前の旧ノースウエスト航空時代から得意とする、北米から成田乗り継ぎでアジア各都市へ向かうルートでの存在感が薄くなることは今回の路線再編からも受け取れる。

一方、羽田―ミネアポリス線の開設が認められれば、米国東海岸や中部からミネアポリス乗り継ぎで、また西海岸からはロサンゼルス経由で羽田に入れることから、米国人利用者や日本から直行便が就航していない都市への渡航には便利かもしれない。それでもデルタにとって、日本人に人気のニューヨーク線撤退は痛手になる可能性がある。同社のマイレージプログラム「スカイマイル」でマイルを貯め、頻繁に利用してラウンジなどが使える上級会員にとって影響が出る懸念はあるだろう。

米国系航空会社の中でもビジネスクラス「デルタ・ワン」は完全フルフラットシートで、プライベート空間を確保できることで定評があり、日本発の和食も美味しいという声も多く聞かれる中、ニューヨーク路線の撤退は個人的にも残念である。

同じくニューヨーク線を運航するユナイテッドは、成田―ニューヨーク(ニューアーク)線を10月末以降も従来どおりに運航する。「お客様にはひとつのエアラインのように自由に組み合わせてご利用いただける」(同社広報)と話すとおり、ANA運航の羽田―ニューヨーク(JFK)、成田―ニューヨーク(JFK)、ユナイテッド航空運航の成田―ニューヨーク(ニューアーク)線の3便(各1便)体制でジョイントベンチャー(共同事業)のメリットを生かす。

成田線については、ANAが運航する東南アジア線や中国線、台湾線などへの乗り継ぎもスムーズであり、ANAは昨年、夕方発の成田―バンコク線とシンガポール線を2便に増便し、10月末からはホーチミン線も2便体制とするなど強化している。またJALも成田乗り継ぎでの北米と東南アジアの流動に力を入れており、共同事業のパートナーであるアメリカンの便からJALの東南アジア、中国、台湾便へ乗り継ぐ人も増加しており、この点においてもデルタは日本マーケットで厳しい戦いを強いられそうだ。

鳥海 高太朗 航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師

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とりうみ こうたろう / Kotaro Toriumi

1978年千葉県生まれ。成城大学経済学部経営学科卒。食品会社、コンサルタント、城西国際大学観光学部助手を経て現職。専門は航空会社のマーケティング戦略。利用者・専門家の双方の視点から各社メディアを通じて情報発信をしている。

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